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レポその3(完結編) 4月16日(日)@渋谷LOFT9 おやすみホログラム presents「fake a show 回顧展」(八月ちゃん、チャン・エピ、キタシマタクヤ、オガワコウイチ)

 おやすみホログラムの3rdワンマン「fake a show回顧展」で行われたトークの記録、ラストです。これまで2度にわたってトークの記録を残したのですが、1時間50分にわたるトークショーのラスト40分間分の記録となります。

 このトークショーでは、最後まで3人のチームワークの良さをうかがわせるやり取りが繰り広げられて、本当に素敵なチームだなと感じました。形式にこだわっているようで、自ら型をぶっ壊す八月ちゃんは相変わらず面白いし、落ち着いたトーンでバランスを取るキタさんはたいへん素敵だし、ハキハキとしゃべりつつ要所要所で的確な合の手を入れるエピさんのフォローも素晴らしかったです。

 

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 最後の40分の間には、制作中に起こった幾多の事件や、徹夜に次ぐ徹夜によって疲弊していく制作チームを襲った珍事件などについてお話がありました。また、二人の遅刻魔のことや、甘い誘惑でキタさんエピさんを翻弄した八月ちゃんのエピソードなども明かされました。そして、Tシャツのデザインの核心に迫るお話も、原画を描かれたキタさんからついに明かされることとなりました。

 

******

キタ もうね、制作の話をしないとね。

八月 しないと!

キタ そうだねえ。

八月 事件簿の話とかしたかったね。

キタ え、しないの?笑

八月 あー、そう。それはしたい! 無事に本番を迎えられたわけなんですけど、制作の時は本当に波乱万丈なものでありました!

エピ 急に? 急に?笑

八月 そう、波乱万丈でしてねー。good nightレコーズとオモチレコーズで共同で事務所を借りてるんですけど、そこを制作中は間借りさせてもらって。間借りというかもう、ハイジャックだよね。

エピ 荒らしまくって。

八月 そう、荒らしまくって。まあ、そこで制作してたんですけど。本当に寝ずの晩もあって。二人は特にね、そんな晩が続いたりとかね。

キタ 事件簿は。

八月 事件簿の名前で言うと・・・じゃあ、○○事件という形で話していくんですけどー。もう言っちゃったけどさっき。

キタ 言っちゃうパターン多いね。

八月 言っちゃうね。ダメだー。

キタ いや別にダメじゃないけど。

八月 あのー。じゃあ、何々事件簿~♪ じゃーん♪ じゃあちょっと明るくしましょうか。

キタ いや映像流してるから(笑)

八月 映像流しっぱなしでもいいからちょっと明るく。あ、こんな感じいいですね♪ こうしましょう!

キタ ありがとうございます。

八月 ありがとうございます! そう、あのー、事件がたくさんあったね。

エピ ありました。

キタ うんうん。

八月 えー、じゃあ何だろう。何でもいい。フリートークね、いま。

(ええええ?笑)

キタ いやいやいや。おかしいって(笑)

八月 いや、事件簿としてフリートーク。だから、フランクな感じでいこう!笑

エピ 事件はやっぱり寄り道が多いこと。こんな感じなんで、三人でいると八月ちゃんをどうしても止められないんですよ、私たちの力では(笑)

八月 そこー?笑

エピ でも、止めようとする気持ちもありながら、八月ちゃんは甘い蜜みたいな感じで色んなところに誘ってくるんですね。まず「ご飯行こうよ」から始まって「ちょっとここ見たい」なのがいっぱいあって。制作中は主に高円寺にいたんですけど、まずは集合してご飯を食べるところから始まるんです。

キタ あのね、これディスじゃないんですけど、まず遅刻から始まります(笑)

エピ 私と八月ちゃんに関してはかなり遅刻魔ですね。

八月 頑張ったりするけどね。

エピ うん。でも遅刻しちゃうから、良くない。キタさんはいつもサンマルクカフェで待っててくれるの。ごめんなさい(笑)

キタ 大丈夫、大丈夫。

八月 キタさんの名言があったんですよ。「読書家は待ちが辛くない」って。

キタ いや、読書家っていうか、それをイライラしてても別にしょうがないじゃないですか。

八月 うん。

エピ もう諦めてる?笑

キタ いや多分おそらくですけど、遅刻のアベレージが40分くらいじゃないですか(笑)

エピ 30分、40分はざらですね。

八月 30分はまだマシだよね。

エピ こないだ会ったときは一時間くらい?笑 申し訳ないです。

八月 申し訳ないです。本当に。

キタ そこを計算して行こうかなと思ってるんですよ。30分遅く行ってみようかなって思うけど、そういうときに限って早く来たらどうしようとか思うとなかなかできないから。5分くらいは遅れていくけど、だいたい上回ってくるねえ。

エピ 結局、やっぱそうやって遅れて行って、そこから「ご飯何食べる?」ってなって、迷った末に食べて、制作する時間が短くなるみたいな。悪循環。

八月 自分たちで自分たちの首を絞め続けるっていう。

キタ いや、その「たち」に俺は入ってないよ(笑)

八月 じゃあ、寄り道事件の話する?

キタ いや、いましてるんだよ(笑)

エピ いま何?

キタ これ、何の話してるの? 別の寄り道の話?

八月 いやー、寄り道はたくさんしましたねえ。高円寺は誘惑が多いんですよ。二人とも、私を止められなかったとか言ってるけど、二人ともけっこうノリノリで寄り道についてきてくれたからね。

エピ え、だって止められないのは分かってるから! 止める気持ちが薄いのかもしれない(笑)

キタ ケンカみたいになっちゃった(笑)

八月 大丈夫、ケンカはしてない(笑)

エピ 結局、楽しかったりするから「ま、いっか」っていう。

キタ あとは、フォローするとかではないですけど、本当にご飯を食べるくらいしか楽しみがなかったんだよね。

八月 あー、そうだったかもしれない。

エピ あー、辛かったね。

キタ 制作状態で寝る時間も無いくらいだったんで、そこで気分転換しないと植物になりそうだったね。

八月 たしかにー。キタさんは土色だったんですよ、ずっと。制作中(笑)

エピ 寝てなすぎてね。

キタ それは何事件ですか?

八月 えーと、うーーーん。殺人未遂事件?笑 絶対に間に合わないだろっていうスケジュールで、二人やかなこさんたちにやってもらってたから、もしかしたら私は今回誰かを過労死させてしまうかもしれないって思った(笑) みんな、すごいやってくれたんですよ。本当に。頭が上がらないくらいやってくれて。キタさんにも「もう寝てください」って言っても、「いや、でも、終わらないから・・・」って言って。顔とかも土色になっちゃって。

キタ 僕は、5日間ほぼ徹夜だったんですよ。

八月 そう、ヤバイよね。

キタ 事務所にある椅子の上で1日30分寝るだけっていう。あとは、ご飯食べる以外はずっと制作をしてるという状態で。おやホロは、リキッドでのワンマンの前に2本くらいライブが増えたよね?

エピ スタンプラリーとかしてなかった?

八月 スタンプラリーもしたし、直前ワンマン事件。

キタ そこは八月ちゃんが制作できる時間の予定だったんですけど、その穴を埋めないといけなかったのもあって、帰る予定だったのも帰れなくなったから、もうずーっと事務所に泊まってたね。徹夜4日目くらいにどうしてもお風呂に行きたいって言って銭湯に言ったんですけど、自分ではわりと体調的に大丈夫な状態のつもりだったんです。けど、銭湯に行って、その時に羽織ったコートのサイズが42だったんです。で、銭湯に着いて使ったロッカーも42番だったんですよ。

エピ え?笑

八月 え?笑

キタ 死ぬフラグだと思った(笑) 死亡フラグ立ってると思って。その銭湯は古い感じの銭湯だったので、リンスとかは無い感じだったんです。でもシャンプーくらいはあるだろうと思って探しても、シャンプーも見つからないんです。座ったところの棚を探しても全然見つからなくて。ボディーソープか固形石鹸しかなくて、こんな久しぶりにお風呂入るのにこのどちらかで髪を洗わないといけないんだと思って。で、石鹸で頭を洗ってシャワーで流してパッと目の前を見たらそこにシャンプーがあったんですよ(笑)

八月 おおー、本当にヤバイ(笑)

キタ それが見つけられないくらいヤバイ状態になってて。さっき、土色だっていう話あったけど、自分の手を見たら本当に土色になってて。

八月 そう、本当に! で、キタさんっていつも震えてらっしゃるんですけどー・・・

(笑)

八月 いやほんとに震えてるんですよ!

キタ たしかに震えてる。

八月 震えてらっしゃるんですけど、土色になっちゃって、手も震えてて(笑)

キタ さっきも言ったんですけど、モチーフを僕のキャラクターにしてもらっててオブジェを作ってたんですけど、顔だけは僕が描くという予定だったんですよ。自分が描いた方が早いと思って。でも、その線を決めようと思って鉛筆を持って書こうとしたら、手が震えてて描けなくて。何回やっても描けないからもうエピちゃんにお願いして、元の絵を見せて描いてもらいました。

エピ 比率合わせて描いたねえ。

八月 ヤバかったですよ本当に。キタさんがぐったりして。

キタ 八月ちゃんがずっと「私、キタさんを殺しちゃうかもー」って言ってたよね。

八月 そうそう(笑) 事務所で叫んでたよね。

キタ オガワさんもすごい心配してくれて。

八月 もう、みんな全ての体力を出し切る感じの制作だったからね。

エピ 寝ないでいると、眠くなくなるんだよね。それだとちょっと危険かな?

八月 危険危険。

キタ で、5日間ほぼ徹夜のまま当日を迎えたんですよ。その状態で搬入、設営、ダンサー、搬出をしたんですよね。

八月 全てこなしてくれたっていう。

エピ 死ぬ勢いでしたね。

八月 でね、リキッドルームって大きい会場だから、楽屋にシャワールームがあるんですよ。キタさんに「行ってきてください」って言ってね。

キタ リキッドルームでまず最初にシャワーを浴びるっていうね。

八月 それくらい、全ての時間を削ってやっていただいてからね。あと、絵の具を乾かすために小さいドライヤーを事務所で使ってたんだけど、それで髪の毛を乾かして。

キタ そうだ、忘れてた。ひどい生活をしてたよね。

八月 絵の具べっちょりのドライヤーで髪を乾かしてたよね。

キタ そんなことを考えてる余裕がなかった。

八月 大変だったよなあ。今となっては面白い。

キタ その時も面白かったけどねえ。自分だけど自分じゃないみたいな。

八月 それ、ヤバイやつじゃないですか(笑)

キタ ヤバイかもしれない。

八月 あと、「間に合わない事件」もあったし。ステージ上にロープがあったじゃないですか。天井から吊るしてるんですけど、これは事務所では作れなくてその場で作るしかないということになって、無理を言って当日に来ていただいていた他のスタッフさん方に総出で手伝っていただきました。

キタ それに関して謝りたいことがあって。このロープは縦と横で編んでるんですけど、縦に動かせるような縛り方で縛って、後でバンドで固定するというやり方をすることになってたんです。けど、縦方向を固定して縛ってる人がいたんです。

八月 そう。10人くらいで編んでたから個体差が出ちゃったんですよね。

キタ 実はそれをやってしまったのは僕なんです。

八月 あれー?笑

キタ その時は気付いてなかったというか、縛り方の打ち合わせがなされてたときに僕はシャワーを浴びてたんですよ。

八月 え、でもそれは謝らなくていいと思います。

キタ え?笑

八月 なぜならば、みんな編み方をそんなに考えてなかったと思う。

キタ 物を掛けるから、僕は縦方向に動かないようにしようって思ってて、後でバンドで固定するということを知らなくて。

エピ あれ? 縦方向の動きを固定する編み方だったよね? スクリーンを引っ掛けるから縦の方に力がかかるじゃないですか。だから、命綱で使うような編み方を教えてもらったから、キタさんの編み方は合ってるんじゃないですか?

八月 うん。

エピ でも、ずれちゃうから結束バンドでやりましょうってなった。

キタ あ、そうなの?

エピ そうそうそう。だから謝らなくて大丈夫。

八月 結果的にいい感じになりましたし。

キタ 受け止め方が分かんなくなってきた(笑)

エピ 大丈夫!

八月 そう、大丈夫!

キタ すいません。なんか変な時間を使ってしまって(笑)

八月 本当に、みんなの力を使ってなんとか本番に間に合うようにこぎ着けた感じだったからね。

キタ あ、時間大丈夫? 言っておきたい事件があるんだよね。

八月 お願いします。

キタ あのですね、そもそもの話なんですけども。ステージに置かれていた二メートルくらいあるこのオブジェは、発泡スチロールで土台ができているんです。縦が二メートルで横が一メートルくらいの、自販機と同じくらいの大きさの素材を買ったんですよね。それが事務所に届く日に、僕とエピちゃんは初めて事務所に言ったんですよ。おやホロの事務所に。そしたら、それが届くべき時間に届かなくてけっこう遅くなってしまったんですよ。で、ようやく届いたんですけど、建物の2階にある事務所に入れよとしたときに階段を通らないっていう事件が起きたんです。

八月 そう、事務所は入り口がとてもキュッとなってて。私は入ると思って発注しちゃったから。

キタ 入る隙が一ミリもなかったよね。

八月 そう。業者の人も途中で諦めたんですよ。

キタ そりゃそうでしょ。

八月 もう、持ってきてくれた人が「これね、入らないですよ。無理です。どう考えても無理です」って。「え、どうにかして入らないですかね?」って聞いたら、「いや無理だね。こういうの多いんだよ」みたいな(笑)

エピ 返品をすすめられたよね。

八月 そう。「持って帰ろうか? 返品しなさい」って。でも、それがないと間に合わないし、オブジェができないし。芯になるものだから、絶対にそれが必要だったの。何がなんでも必要だと思ったよね。ハロウィンの夜だったよね。

キタ そうだ。

エピ そうだったね!

キタ とりあえずそこに置いていってくださいと言って、事務所の前がちょっと広い道になってるから端っこのほうに一回置かせてもらったよね。公道にね。そこでその大きな発泡スチロールを半分に割ろうという作戦を立てたんですけど、道具がカッターナイフしかなかったんですよね(笑)

エピ でもそれでやったんですよね、最初はね。

キタ 最所はカッターでひたすら溝を作りつつ、道を汚してはいけないから常に掃除をしつつね。

八月 そうそう。掃除をしながらやったんですよね。当初は、木こりが木に切り込みを入れて倒すときみたいな方法でいこうと思って、テコの原理とかを使おうとしたよね。でも、溝が全然浅くて限界があったね。

エピ 限界があるよー。

キタ 最終的にはノコギリを使ったんですけど、ノコギリでも全部は切れないくらい大きくて、奥まで入らないので、とりあえずノコギリが届くギリギリのところまで傷をつけたんですよね。切れ目を入れて割ろうとしたんですけど、3人しかいなくてね。

八月 私散々人に電話しちゃった~。オガワさんとモチヅキさんにも電話したし。

キタ そりゃさ、来ないよね(笑) いきなり電話かかってきて発泡スチロールが切れませんって言われてもね。

八月 何のこっちゃってなるよね(笑) でも結局は、みんなで発泡スチロールの上でとにかく動いて、本当に力ずくでパキィッ!って割ったね。それが一番びっくりしたかなあ。

エピ 大事件でした。

八月 でもそれを乗り越えたらもうね。そんな感じですかね~。

キタ 事件はね。限りなくあったけどね。

八月 もう限りなくあったからいっぱい話したかったんだけど、時間がね。なかなかアレなので、ここら辺でまとめなんですけども。まとめます。

キタ まとめ? 俺、Tシャツの話しましたっけ?

八月 あ、していきましょう!笑

キタ 大丈夫なのかなあ?笑

(※モチヅキさんからOKサイン)

八月 大丈夫なようです。キタさんはTシャツを作ってくれて、エピちゃんは衣装を作ってくれたんですけども、その話を。苦労した点とかありましたか?

エピ あたし、普通に週に5日働いてて、一週間の中の残り2日の休みに制作をしてたんですけど、それじゃあ追い付かなくて。もう1日はブエナに出勤してたりとかしてて。ほぼもう休みなしで、オブジェもやらなくちゃいけないし、衣装も作らなくてはいけないという状況だったんです。仕事終わってからおうちで夜な夜なミシンをかけたりしてました。私は別に被服科にいたわけでもないし、型紙をもとにして作ったりもしてなかったんです。頭のなかでこんな感じでいくというのを決めて、勢いだけで縫ったので最所は不安でした。でもなんとか7着間に合ったっていう感じでしたね。

八月 だって、夜の3時くらいとか明け方に「1着できましたー!」っていう報告をしてくれてたもんね。すごいペースで作ってたよね!

エピ だってもうダンサーとして声かけちゃってるし、生地も買いに行って制作費もギリギリだったからねえ。そんな中で制作費を使わせていただいたので、ちょっと間に合わないのはまずいと思って急いで作りました。

八月 オカダヤに行ってみんなでお買い物したね。

エピ イメージとしては、生地を選んだときに3人で決めましたね。オガワさんはもう猫のイメージがあったので、オガワさんは特別にふわふわ多目で作りました。

八月 ちなみにこれ、みんな気づいてないかもしれないけど、服のリメイクなんですよ。既製品のワンピースを買ってきて、それを切り刻んでもらって他の布を付けていくという作り方をしたんです。

エピ それがあったから間に合ったというのもあったかもね。1からだったら厳しかったかなあ。大変だったけど、楽しかったかな~。

八月 よかった♪ キタさん、Tシャツの話しますか? 今日は現物を持ってきてくれてます。

キタ 分かりやすいようにね。さっきもちょっと話したんですけど、仕掛け的なものがあるんです。一枚目は、オガワさんが猫という象徴で描かれているというのがまず一つ。真ん中には白い人みたいなのが手を繋いでる絵が描いてあるんですけど、それが二枚目のTシャツにも半分になって書き込まれているの分かりますか? それをその猫が切っているという絵なんです。ダンサーとかコーラス隊も最初は入る予定だったんですけど、それもダミーだったというか。

八月 この絵の中では切り絵になってるの?

キタ そうそう。切り絵として、たとえてみようかなと思って。あと、変更があったんですけど、最初はfakeのDJの人も入る予定だったんです。

八月 うんうんうん。

キタ 一枚目には月みたいなのが出てるんですけど、それがレコードになって、舞台の装飾になってて、それもダミーなんです。

八月 ちなみに、fakeのDJを入れたいというのは、ダンサーを入れるという話と同じくらいのときにあったんです。いつもは、おやすみホログラムのらいぶではオガワさんがDJをやってくれてるんですけど、オガワさんのほかにももう一人DJらしいDJにいてもらって、でもそこからは音は出ていないという仕組みにしようという案もあったんです。でも、それはなくなったんですよね。

キタ そうなんです。二枚目のTシャツの絵を描く時くらいから、ステージの内容も変化していて、最初の予定では、絵的に派手になる方が三枚目のTシャツとしてふさわしいと思っていて、そういう風に描こうと思ってたんです。でも、ステージの内容が装飾とかも含めて増えてきてたのもあって、あんまり描きすぎちゃうと説明になってしまうと思って。色んな解釈ができるようなshowにしてるのに、自分がTシャツのデザインで説明しすぎて台無しにしちゃったら勿体無いと思い直したんです。オガワさんがさっき言ってた、アイドルはfakeだという話とか、そういうのを取り入れました。イラストの中でも、正面の姿よりも後ろ姿を描いてみた方が想像の幅が広がるかなと思って三枚目に描きました。それから、装飾との距離感の話を八月ちゃんがさっきしてたと思うんですけど、今回は装飾はあくまで装飾であって、装飾について説明をされずに観ても面白いものをみんなで作ろうと思ってましたよね。

八月 そうですね。

キタ 誰かが、何か仕掛けがあるのかなと探ったときに、面白いことが出てくるというのが僕的にはベストかなと思って。だから僕もコンセプトとは別に一つ仕掛けをしようと思ったのが三枚目のTシャツのイラストなんです。気付いてる方もいると思うんですけど、八月ちゃんとカナミルさんをモチーフにした絵には影も描かれているんですけど、これは一枚目のTシャツの二人のシルエットなんですよ。それから、真ん中の猫の影は、二枚目のTシャツに描いた猫のシルエットにしてあるんです。

八月 あ、そういうことなんですね! あたし、二人のオブジェのシルエットには気付いてたんですよ。

キタ 一枚目のTシャツのイラストと、二枚目のTシャツのイラストはけっこう繋がってるんですけど、そこにさらに三枚目のイラストにも繋げて、モチーフが循環してるというのをやってみたんです。

八月 それは初めて知りました。

エピ 気付かなかったです。

八月 なるほどー。仕掛けられてたんですね。

キタ そう。そういう感じで描かせてもらいました。

八月 この原画は、おやすみホログラムのコンセプトカフェでも、オブジェや衣装と一緒に展示しようと思っているので、是非皆さんじっくり見に来て下さい! やっぱり、fake a showのときにはじっくり話し合いしたので、かなり臨機応変に同じ方向に向かってできたと思ってます。ちょっとしたズレは出てきちゃうものだから、チームで何かを作るのってすごく難しいんですよね。コンセプトをかちっと決めたとしても、人それぞれの解釈とかはあるから、まとまらなかったりしがちなんですけど。fake a showではまとまってできたなと思ってます。それ以降も、今年の始めに月見ルで四日間連続のニューイヤームーンさんという企画があったときも、この三人で装飾をやりましたよね。何か一つの舞台を作るのって大変なんですけど、こういうことをまたやっていけたらいいよね。

エピ はい!

八月 って思ってます。どす!

(笑)

八月 やりましょう。おやすみホログラムって、普段は八月ちゃんとしてやってるから不思議な感じなんです。演者なのに制作もしてるとなるとややこしいじゃないですかー。fake a showのときは、おやすみホログラムの八月ちゃんと、みんなで作る制作班というのを割り切れてたというか。だから本番は、美術チームにすべてを託してライブに集中するというスタンスで臨めたので、自分の中では良かったなと思ってます。本当にありがとうございました。

キタ あ、はい(笑) ちなみに今日は実は、一点モノのあれが・・・

八月 あ、そうだ! あれだ! 今日とカフェの開店期間にfake a showのTシャツやトートバッグに私たちが三人でペイントをしたものを売っています! 気に入ったものがあったらおうちに飾ってもらえたらと思います。ということで、こんな感じでトークを終わります。そしてこのあと、ソロでライブをやりたいと思います。しばしお待ちを! 今日はありがとうございました!

エピ ありがとうございましたー!

******

 

 以上、トークの記録でした。制作者自ら作品の解説をするというのは、大変難しいことだとは思うのですが、本当に聞きごたえのあるトークでした。特にキタさんは、良く言葉を選んで丁寧にお話をされていた姿が印象的でした。色々な解釈ができるように作り上げたshowの解説をしてしまうというのは、ともすれば無粋なことにもなりかねないわけですが、そこはさすが、キタさんは次のようなツイートをなさっています。

 

 例えば文学の世界なんかでは、作者自らが自作の解説をしたとしても、それが「ただ一つの正しい解釈」ということにはなりません。作者自身も「読者」の一人なのであって、それもまた、数ある解釈の中の一つという扱いにあります。ただ、そうだとしても、このトークを踏まえてfake a showをもう一度観直したら、グーンと面白くなるんだろうなと思います。

 映像作品出さないのかな・・・(笑)

 ちなみに、ステージ上にVJで人間が映し出されていたのは、私は気づきました。メンバーの姿が投影されていたような気がしたのですが、あれは気のせいだったのかしら・・・。

 このトークショーの後には八月ちゃんのソロライブがあったのですが、こちらも大変感動的でした。

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20170416 おやすみホログラム 八月ちゃん「夜、走る人/強く儚い者たち(cover)」


20170416 おやすみホログラム 八月ちゃん「curve(cover)」

 

物販の時の八月ちゃん。ダブルピース!

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レポその2 4月16日(日)@渋谷LOFT9 おやすみホログラム presents「fake a show 回顧展」(八月ちゃん、チャン・エピ、キタシマタクヤ、オガワコウイチ)

 おやすみホログラムの「fake a show」回顧展のトークの記録、第2弾です。第1弾は先日アップしました。

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 前回のレポートでは30分経過するあたりまでを起こしましたが、今回はさらに40分間分のトークを起こしました。いよいよ制作の具体的な話がなされます。「Tシャツ事件」なる事件の話もありつつ、当日ステージ上にいた、お面をかぶった謎のダンサーの正体が明かされるまでの記録となります。

  前回同様、発言者の名前は逐一記してありますが、読みやすさを考慮して、八月ちゃんは緑字オガワさんは青字、キタさんとチャン・エピさんは黒字で、それぞれの発言を表記しています。カッコでくくられているのはフロアのお客さんによる発言です。

 

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******

キタ こっからね、打ち合わせの段階に入ってくんだよね。

八月 そうですね。もう仲間は集めたから打ち合わせできるぞということで。そのときに既に10月になってたんですよ。打ち合わせを散々して。

エピ しましたねえ。

八月 したねー。でも、打ち合わせばっかりしてると進まないんですよ、制作が。だから、とりあえず作るものを決めて、決めてからコンセプトに擦り合わせていこうという感じで。showに何が必要かなというのをみんなで話し合って、オガワさんの元々の要望だった「ダンサーを入れたい」というのは絶対に入れたいと思って。今までおやすみホログラムは、オガワさんを入れると3人でステージに立ってきたんですけど、そこでダンサーを入れたらshowっぽいし、コンセプトには後で擦り寄せるとして。

キタ わりとちゃんと考えてたよね。

八月 考えてた。ダンサーのほかに、showだから舞台装飾と言ったら何か大きいものがあったりとかするんじゃないかということで、オブジェも作ろうってなって。あとは映像のVJを入れるというのも、オガワさんとキタさんのお友達の頭がぐわんぐわんさんに頼んでたので、スクリーンも用意しようとなって。あとは・・・

キタ ダンサー、オブジェ、スクリーンと、あとは衣装。

八月 うん。そんな感じ?

エピ そうですね。打ち合わせをしながら何が必要かを模索して、あとはダンサーの人が付けるお面とかをキタさんが描いたTシャツの第3弾のデザインに寄せていくような感じで作ったりとか。

八月 キタさんがもうTシャツを作りはじめてくれてたし、しかも3枚出すということも決まってたから、メインビジュアルというのは決めやすかったんですよ。キタさんのキャラクターというものがもうあったので、全体の世界観は作りやすかったですよね。必要なものを話ながら決めていって、ひたすらあとは作ったのかな?

キタ いや。いい?

八月 いいですよ(笑)

キタ みなさん、分かりづらいかなと思うので。最初のオガワさんのコンセプトが「fake」を「fake」として見せないshowだったじゃないですか。けど、八月ちゃんはshowがやりたかったんですよね。

八月 あー、そうだ!

キタ けど、例えばさっきのオブジェもそうなんですけど、オブジェを入れてしまうと「fake」を作ってしまうことになるじゃないですか。そうすると、「fake」を「fake」として見せてしまうことになりますよね。っていうのは大丈夫ですか? で、それをどうするかということから始まって、ノートに「何がfakeなのか」「何がfakeじゃないのか」をひたすら書き出して分類していったら、最終的に「fakeじゃない」方に残ったのがオガワさんだけだったんです(笑)

八月 そう! そうなの!笑

キタ ひたすら全部、これはfakeだって分けていったら、残ったのがオガワさんだったことにみんなが「ハッ!?」ってなって、オガワさんがfakeではない存在として残っているんだったら、むしろ作るものは何でもいいんだっていう。要は、「fakeのfake」を作ろうということに落ち着いたんです。

八月 結局オガワさんがいれば・・・、「いれば」というか、オガワさんがオリジナルっていうふうにこのshowでは設定しようってなって、もうそしたらあとはシンプルで、やるだけだったんですよ。「オガワさんがオリジナルだから、あとはもうfakeだぜ。いぇーい」みたいな(笑)

キタ たしかに(笑) そういう感じはあったね。開けた感じが。

八月 そう。そうだったなー。でも、それと同じことをオガワさんは思ってたんですかね? オガワさんは自分がオリジナルだと思って「fake a show」というコンセプトを言ったのかな? じゃあ、オガワさん次の話題まで壇上に居ていいですよ(笑)

キタ なんか上から目線だけど(笑)

オガワ 質問があって、実際僕はこの打ち合わせにはほとんど出てないんですよ。装飾班による細かい裏設定も、実は聞いてないんですよ。いま話を聞いてて、色々膨らませたんです。観たお客さんが想像を働かせる余白をかなり作ってますよね? 例えば、あのステージ上には3種類居たと思うんですよ。派手な色の服を着た女が2人いて、仮面をつけた異形の者たちがいて、帽子をかぶってるやつか1人だけいるじゃないですか。

キタ そうです。

オガワ その3つで世界が構成されているのかなと思ったんですけど、それはありますか?

八月 あのー、ダンサーの衣装と一緒にオガワさんの衣装も作ってもらったんですけど、オガワさんには仮面はかぶせなかったの。それは私たちの意図です。意図的にオガワさんには仮面をかぶらせなかった。

オガワ なんで?

八月 オガワさんは、ダンサーには紛れていないというところでちょっと匂わせるというか、そういう企みはありました。企んでました。

オガワ ちなみにお面をつけたダンサーたちって、もちろん本業はダンサーではない人たちなんですけど、あれの中身って皆さんは分かりました?

八月 あ、言っちゃう?笑

オガワ まあ、明日からの展示でそこら辺は分かると思うんですよ。

八月 今日の後半にもう分かるの!

オガワ あ、分かるんだ。

八月 そう、分かるんだけど、本業はダンサーじゃないんですよ。だけど、ダンサーとして居るから、みんなはダンサーだって思うじゃん?

(・・・)

エピ え、思ってなさそう(笑)

八月 えっ(笑) あのねえ、ダンスをしてたかというとそうでもないんですけど。

エピ 不思議な動きをしてた。

キタ ダンサーだと思ってなかったということは何に見えてたんだろう?

八月 何だろう? 後ろにお面をつけたダンサーみたいな人たちがいるって気づいた人ー?

キタ いやいや、いるのは気付いてるでしょ(笑) どうやったら気付かないの?笑

八月 え、もしかしたら本当に気付かないかもしれないし。装飾の一部として見て、ダンサーではないものとして。

オガワ ちなみに、あのダンサーの中の一人だけVJが投影した映像だったことに気付いた人っています?

(・・・)

オガワ 誰も気付かなかったっすか? 気付かなかったって。

八月 え、それ何の話?笑 え!? ちょっと待ってそんなのありましたっけ?笑

オガワ あ、ヤバいかな。後で話す。それは。

八月 え、何? ちょっと私も混乱してきたんだけど! やめてくださいよ! 今日は私すごい書いてきたんだから、しゃべることとか(笑) 想定外すぎる。

オガワ それは後で話すよ。はい。続けてくださいっ。

八月 え、あのー、ダンサー? いないですよ。いや、いたけど。

キタ それ引っ張ると、けっこうあれかも。

八月 そうだよね。そうなんですけど、いま動揺しちゃった。

キタ これ、全員で話したかどうか覚えてないんですけど、僕はTシャツの中でオガワさんを猫のモチーフで象徴させて描いたんです。そのダンサーに猫のお面をかぶせたのは、そういうことも関係してて。ダンサーの衣装はオガワさんが着てた衣装と同じ生地とかでできてるんですけど、オガワさんはオリジナルということでお面はつけてなくて、帽子をかぶって出てもらったというのはあるよね。

八月 ありますね。ここで、Tシャツの話をした方が分かりやすいのかな?

キタ する?

八月 オガワさんは猫のイメージで、キタさんがTシャツを描いてくれたんですけど、第3弾のTシャツを出すときに1つ注文があったじゃないですか。オガワさんから。ネタばらしはしないっていう。Tシャツが「fake a show」を象徴するヒントになっているということは、お客さんに言ってあったんですよ。で、そこからのTシャツ作り。ですよね?

キタ えっとね、おそらく最初は言わないで進めていくという話というか、「fake」を「fake」として見せないということだったので。「Tシャツがヒントになっています」ということも、おそらく言わない予定だったんですよ。けど、僕がどこかの段階でおやホロのファンの人と会ったときに「これって、何かヒントになってるんですよね?」って言われて「あれぇ!?」ってなって。「みんなそのこと知ってるの?」ってなって。ヒントだということは伝えない前提で描くということだったから、露骨にヒントみたいなことを書き込むことを予定していたんですけど、お客さんはヒントだということが分かってるのに露骨に出したら「答え」になってしまうから、2枚目くらいからは・・・

八月 訂正が入った?

キタ そうそうそう。

八月 三部作をもう構想して、第1作目をキタさんは描いてたんですよ。でもね、これはもう事件ですよ(笑) Tシャツ事件というのがあって、その事件を起こした犯人は・・・ドゥルルルルル(笑)

キタ いや、もう「ドゥルルルルル」やらなくていいよ(笑)

八月 ドゥルルルルル・・・お前だ~(笑)

キタ 公開でdisるのやめようよ(笑)

エピ かわいそう!笑

八月 え、でももうこれは終わった話だから笑い話なんですよ。ねっ♪ え、傷付きました?笑 これは超ややこしい話だよね。最初、「fake a show」に向けた演出はオガワさんがすることになってたから、Tシャツの依頼もオガワさんがキタさんに直接してたんですよね?

キタ そうそうそう。

八月 え、怒ってるう?(笑)

キタ 怒ってないよ(笑)

八月 で、何も言わずにTシャツ三部作をお客さんに見せて、気付く人もいるかもしれないし気付かない人もいるかもしれないくらいの感じで、ヒントになるTシャツにしようって話だったんだけど、ヒントは「これがヒントですよ」って言っちゃうとみんな分かっちゃうものじゃん。だから「ヒントですよ」と言わないことを前提としてTシャツを出そうと思ってたの。けど、何かのステージのときにオガワさんが「これ、何かのヒントになってますから」ってサラッと言っちゃって(笑) そこでなんか「おっ?」ってなったんだけど、後からキタさんに「ヒントって言っちゃいましたよ・・・」って言われて(笑)

キタ 当初の予定では、「fake a show」を何もネタバレせずに終えた後に、何人か気付く人がいたら「あ、Tシャツの時から始まってたんだー!」ってなる予定だったんですよ。最初の予定は。だからTシャツのお話をもらったときも、未来を予知する石板のような、そういうものにしたいっていう話だったんです。けど・・・、この話続けるとオガワさんがだんだんシュンッてなっちゃう(笑)

オガワ その節は、たいへん・・・。

キタ いやいや、もう全然それは僕的には大丈夫。

八月 笑い話。

キタ そう、全然笑い話。

八月 その時は笑えなかったんだけどね、私。「ええ、言っちゃったー!」ってなって。まあ、それも良い思い出として。

キタ けど、ステージの内容とかも途中で変わっていったので、結局それもその中の1つというか。

八月 そうですね。

オガワ 想定してましたね。

八月 想定内ですか。

エピ なるほど・・・(笑)

八月 まあ、オガワさんの元々のコンセプトがあったからこそ、この「fake a show」になって結局はよかったんですけどー。

キタ そこはブレずに作ろうってみんな思ってたからね。

八月 そうですね。オガワさんがオリジナルになった「fake a show」でした。でも、オガワさんにもそれは知らせないで舞台に立ってもらおうって思って、衣装とかはああいう構図にしたんです。だから、オガワさんが気付いたら面白いなってちょっと思ったんだけど。

オガワ 気付かなかった。

八月 じゃあそれは成功なのかな?

エピ オガワさんからは箇条書きの簡潔なコンセプトをいただいて、それに対して3人だけで作り上げた裏のコンセプトがあって。それは一切オガワさんとかにも話をせずに、仕立てあげるみたいな感じで舞台を作りました。

オガワ 分かりますね。分かりました、分かりました。

八月 目に見えないやり取りをしてたんですよ。

キタ ステージ上で?

八月 そう。ステージ上で。ライブとはまた別の1つの作品としてステージを見たときに、その構造が面白くなればいいなと思って。もちろんおやすみホログラムのライブがメインで、おやすみホログラムのワンマンライブだし、それが一番にあったんですけど。美術班としては、自分達が作るからにはステージ全体を見たときに、何か作品になりうるものにしたくて。見応えがあって、後から「あ、そうだったんだ」ってなったり、色んな解釈ができるようなものにしたいと思って。たくさんの・・・何だろうなあ・・・

エピ レイヤー?

八月 そう、レイヤーみたいな感じで。

キタ いまの、よく分かったね?笑

八月 ね、すごくない?笑

エピ いやいやいやいや(笑)

八月 レイヤー構造にしていった感じです。こうやって今日トークショーしてるからみんなに共有できてる部分があるんですけど、作品を作る側としても楽しんでたというか、大きい作品を作ってるというイメージで日々制作してました。みんなが作品の一部みたいな。お客さんもただ傍観者になるだけじゃなくて、お客さんから見てる私たちの構造も楽しんでたというか、色んな角度から見られるshowだったんじゃないかと終わってから思ってます。お客さんは、オガワさんがオリジナルだと思って観ないじゃないですか、ライブを楽しみに来てるから。「fake a show」というワードが引っ掛かりすぎて、装飾ばっかりに意識が向いちゃっても、1つの舞台としてどうなのかなっていう部分があったから、すごい絶妙な距離感でみんなに観てもらって、ライブは全力で楽しんでほしいというのがありました。色んなことを踏まえつつ、みんなが附に落ちる状態で成り立たせた!

キタ そうだね。

八月 私は「fake a show」のとき、カナミルと八月ちゃんの二人でライブをするじゃん? やっぱりその二人がいつも通りライブをできないというのは舞台装飾としてどうなのだろうと思ってた。だから、この装飾があるからライブがしにくいってことになったら困るから、そこら辺も気にしながら作りました。演者を制限させないという気持ちがあって、そこら辺も考えながらやりましたね。

エピ 二人が主役なのでね。二人というかオガワさん含めおやホロが主役なので、舞台装飾とかオブジェとかはあくまで脇役で、そんなに目立ちすぎてはいけないという兼ね合いがありましたね。

八月 そう。物理的な距離感もそうだけど、気持ち的な距離感とか。話しててあらためて思ったけど、すごい考えたよね。

エピ いやあ、すごい考えたねえ。

キタ すごい考えたのはそうなんだけど、そろそろ制作の話に・・・。

八月 あ、そうだ! 制作の話に行きましょう! はい、じゃあオガワさんありがとうございました~。

(拍手)

エピ ちょっとお客さんが眠そうな・・・

八月 ねー。眠くなるよねー。じゃあ、なんかゆるっとした話にしますー?

エピ 事件は? 事件。

八月 あのねー。あ、それとも映像も観たい? さっき話した距離感の感じ観てみます?

キタ いやいや、ほとんどのお客さんは実際に観てたから(笑)

八月 あ、そっか(笑) でも来てなかった人もいるかなあって思って。じゃあ、冒頭のSEの部分からちょっと流しますね。

(※映像上映開始。以後しばらく映像を観ながらトーク。)

八月 何? ここ・・・。(※自分の煽りを見て引く八月ちゃん・・・)  まあこんな感じで映像を流しっぱなしにしておこうかな、とりあえず。色んなことを考えながら作ったステージがこれなんですけど、どうですか? あらためて見て。

キタ あとで当日の話とかもするんですけど、搬入・設営から本当に忙しすぎて、作品の写真とかも1枚も残ってなくて。

八月 そうそう! 本当はスライドショーの方がいいんじゃないかと思って、用意したかったんですけど、あいにく無いんだよね。自分達で作ったのに、自分達で残してる写真がなくて。だからこうやって映像を見せることで話を進めていこうと思います。ダンサーが入ってるところも見たいよね。

キタ いや、でもそろそろ・・・。

八月 あ、時間? 意外と時間が。

エピ あっという間ですね。

八月 ねー。舞台上のスクリーンに映像が映し出されてるじゃないですか。これは完全にVJの人にお任せしました。私たちの要望を伝えて、それを汲み取って作ってもらいました。あとは、照明さんに当日入っていただいたんですけど、照明さんともたくさんやり取りをして、どの曲の何分のときにこういう感じにしてほしいということを制作チームから伝えて、照明をしてもらうっていう感じでやってました。ステージに関しては美術班でほとんど全てのことを注文してたというか。

キタ 舞台装飾のチームということになってるんですけど、一応、演出の方もだいたいこのメンバーで決めてやってたんですよね。

八月 そうー。あとダンサーの人が練習する時間がなくて、当日ぶっつけでやってもらうことになったんですよね。それはもうしょうがないなと思ってやってたんですけどー。でも、練習しない代わりに、どういう表現ができるかといったら、コンテンポラリーダンスに寄せるとか。

キタ そういう言い方すると、それをやってる人に怒られそうですよ(笑) あの、最初の段階で本業がダンサーの人は出ないことになっていたから、ダミーのダンサーを用意しないといけないんですけど、ダミーのダンサーの人をダンサーに見せるってもう不可能じゃないですか。踊れちゃったらダンサーなわけなんで。だから、それをどうしようかってなって、ダンサーがステージに出る曲の時には例えば「鬼ごっこをする」とか、単純なその場でできる指示が与えられて、その場でそれぞれが指示された行動をするようにして、コンテンポラリーに似るように演出をしたんですよね。

八月 うんうん。しました、かくれんぼとか。当日は、キタさんとチャン・エピちゃんもダンサーとして入ってくれたんですよ。その2人が誘導係。

キタ え、さっきさー、オガワさんが言おうとしたら「後で言います!」って言ってたから、てっきりもっと後とかにドゥルルルルルみたいなのが入って「〇〇でしたー!」ってなるのかと思ってたんだけど(笑)

八月 言っちゃったー!!笑

エピ でもさあ、でもさあ。この流れで来たら絶対私たち二人は入ってたってみんな思ってましたよね?

(※うなずくお客さんあり)

八月 分かった? 二人はいたんです。

エピ 残りはあと3人?

八月 3人はちょっとまだ内緒。

キタ ちなみに当日いらっしゃった方で、その場で僕とエピちゃんがいたって分かった人います。

(※会場手が挙がる)

八月 あ、いる。すごい。それは。

エピ すごいなあ。いや、でも分かるよね。言われたもんね、ブエナのオーナーにも。

キタ いや、それはねー。知ってたからだと思う(笑) やるの知ってたから。

エピ 言いましたっけ?

キタ 僕が覚えているのは、終わった後にsagaさんに会って「キタさんダンサーの中にいた?」って言われて。

八月 あ、sagaさんはお客さんね。

エピ いや、でも分かるよ。だって明らかおかしいですよね、行動が。私、9月19日ににLADY BABYとおやホロがツーマンをした日に目が合ってるんですよね。脇から入っていくのを見ている人もいたんです。

八月 あ、お客さんに目撃されたってことね。装飾でってことはまだ分からなかったんじゃない?

エピ でも流れで言ったらもう・・・

八月 分かる人がいたら分かったかもね。そのダンサーとしての役割というか、そのためにダンサーにお面を被せてコープスというか、そういうことを意図的に行なったの。だから衣装もわりと個人が特定されない感じの、匿名性がある感じにしたし。

キタ そしたら、残りの3人を分かっている人はいますか? この人じゃないかなあみたいな。

(・・・)

八月 分かんないんだ。

キタ 大丈夫? 種明かしするの忘れちゃいそうだけど。

八月 大丈夫。すぐ言うけど、もうちょっと言いたいことがあって。

キタ オガワさんと望月さんが不安そうなんだけど(笑)

八月 え、言った方がいいの?

キタ いまみんな聞きたいと思うよ。おそらく。

八月 あの、本番におやすみホログラムはブレイクなしでライブをしたんですよ。初めて。MCとかが普段はあるのに、showっていうことだからブレイクなしということを企画メンバーで決めたの。本編終了まで一気にやろうって言って。それで、本編終了後に一回仕切り直して、アンコールがあったんです。その時にコラボして、VMOとハバナイから浅見さんに出てもらいました。VMOからは2人。まべさんみっちーさん。二人に出てもらったの。

(・・・)

キタ いやいやいやいや(笑) それはダンサーの正体を言ってから話す話だからね。おそらく。

八月 えっ・・・?笑

エピ 言っちゃったからもういいよ(笑)

八月 待って! みんな分かってないよたぶん!笑

キタ もうわかったと思う(笑)

八月 え、ダンサーが誰か分かった人。はーい♪

(※手が挙がる!)

八月 分かっちゃうんだねえ、意外と。

キタ 意外とじゃないよ(笑)

八月 私、すごい隠したつもりなんだけど。

キタ 「あと3人誰だかわかりますか?」って言って、3人名前をあげたらさ(笑)

八月 そっか(笑)

キタ そうなるでしょ(笑)

八月 え、でも、なんかほら。「アンコールは仕切り直しで」っていう話し方したから(笑)

キタ またドゥルルルルルとかもなかったじゃん。

八月 ドゥルルルルってしたかった気持ちはちょっとあります(笑)

キタ いやいや、僕は別にしたかった訳じゃないけど(笑) そういうような雰囲気にするんじゃなかったの?

八月 そうしたかった(笑) コラボのことを言ってもまだみんなにはわからないと思っちゃってた。まあ、ダンサーのネタバレをしてしまったんですけど、ダンサーは全部で5人いて、キタさん・チャンエピちゃん・浅見さん、まべさん・みっちーさん。でした(笑) え、いま知ったでしょ?

キタ いや、いまじゃなくてちょっと前に知ったんだよ(笑)

八月 おかしいなあ(笑) 気付かなかったでしょ~? 驚きは無くなっちゃったかもしれなかったけど、気付かなかったでしょ? ね?笑 そう。そうなの。ちなみに、浅見さんはダンサーの衣装を当日着せられたんですけど、「絶対に俺がばれないようにしてくれ!」って言われました。「俺のキャラ的に」って言ってました(笑)

エピ 言われました(笑)

八月 ずっと内緒でよかったのにって今日思うんだろうなあ。言っちゃった♪ 言おうと思ってたからね。

キタ すごく協力してくれてたよね。

八月 すごく協力してくれた。本当にすごい協力してくれた。

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★以上、トークの記録第2弾でした 。残りは次の更新であげます!★