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女の子×街×失恋×毒 東佳苗『THE END OF ANTHEM』 9月7日@渋谷UPLINK(東佳苗、カナミル(おやすみホログラム)、桑原麗子、新倉のあ(禁断の多数決))

 おやすみホログラムのカナミルが出演しているということで、東佳苗監督の『THE END OF ANTHEM』を観てきました。この作品にはカナミルの他にも、保紫萌香さん、レイチェルさん(chelmico)、杉本桃花さん、洪潤梨さん、ひらくさん、桑原麗子さん、橋本ニモさん、mimiさん、新倉のあさん(禁断の多数決)らが出演しています。様々な失恋の形を描いた短編映画です。

 この作品でカナミルが演じたのは、未婚の母でした。全体的に暗いムードが漂うストーリーの中で、新しい命を引き受けるカナミルの役には、ほんのりとした温かみと明るさがありました。上映後のトークでのカナミルのあいさつが「シングルマザー役をやらせていただきました、カナミルです。よろしくおねがいしまーす」だったのには、少し笑ってしまいました。正確なあいさつではあるんですけど、じんわりとした可笑しみ(笑)

 この日は2本立ての上映でした。『THE END OF ANTHEM』はMOOSIC LAB2017招待作品なのですが、最初に昨年のMOOSIC LABでグランプリを受賞した『マグネチック』という作品が上映されました。この映画は少し変わった映画でしたが、SACOYANさんによる劇中歌がとにかくよかったです。劇場を飛び出して音源を手に入れに行きたくなる感じ。映画は劇パートとドキュメンタリーパートが交互に展開されていく構成になっているのですが、劇パートは、あえて演技を上手にやらせないようにして撮ったのでしょうか。色々な点において、「真剣」なのか「あえてそうしている」のかが観る者にとって分からなくなる作りになっていました。狙いはどうあれ、画面上に展開されるのは「酷い演技」(特に男性キャスト)なので、時々しんどくなることもありましたが最後まで観切ることができました。登場人物たちに生活感が全くない部分とか、セリフの不自然さとか、公園の場面での陳腐な演出も、(おそらく)寓話性を際立たせるために「あえて」そうしているのだろうと思います。自分では進んで観ないジャンルの映画を観ることができて貴重な体験でした!

 『マグネチック』が終了したのち、すぐに『THE END OF ANTHEM』が始まりました。ボソボソとしゃべる女の子のナレーションと、街の風景。庵野秀明監督の『ラブ&ポップ』を本歌取りしているかのような雰囲気で、めちゃめちゃ良い! 始まりから一気に引き込まれました。女の子の失恋を描いた映画なのですが、東京の風景もすごく印象的でした。映画全体で見ると屋内の場面が圧倒的に多いんですけど、東佳苗さんが撮った街と女の子の取り合わせをもっと観たくなりました。街はこの映画の影の主役かもしれません。ネタバレは避けますが、ただ切なかったりするだけでなくて、毒もたっぷり盛られた作品となっていました。それから、エンディングのHave a nice day!の曲も良かった! アフタートークで監督ご自身もおっしゃっていましたが、1回観ただけでは追いきれないくらい情報量がすごく多いので、もう1度観たくなりました。来週のloft9に行くしかない!

 ちなみに、カナミルが産婦人科に行く場面で来ている服は自前だそうです。「ギャル服を」という監督の要請により用意したとのこと。


Have a Nice Day!(ハバナイ)「Fantastic Drag feat.大森靖子」

 

 最後に、この日のトークの記録を。『マグネチック』の北原和明監督も登壇されていたのですが、東佳苗監督、カナミル(おやすみホログラム)、桑原麗子さん、新倉のあさん(禁断の多数決)の発言を中心に、『THE END OF ANTHEM』についての話だけを拾って構成しました。 

 

 

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司会 東さんの作品に触れたいんですが、東さんは先ほどもご紹介があった通り、普段は映画監督というわけではないんですよね。今回は映画としては2作目くらいですか?

東 そうですね。一応、縷縷夢兎のショートムービーはいっぱい撮ってますけど、映画監督としてやっているのは2作目ですね。

司会 そうですよね。映画館でかけるということでは。いかがでしたか? けっこう大変そうでしたよね。いろんなシーンがあって、群像劇だし。

東 そうですねー。大変だし、もうほんと「実話ナックルズ」なんで(笑) 映画の中で鍵垢が出てきたと思うんですけど、あれは本当の鍵垢なんで、私の。全体的にかなり「切り売り」してる作品です。

司会 この作品を作るきっかけは何かあったんですか? 曲が先にあったとか。エンディングでハバナイと大森さんの曲がありましたけれども。

東 簡単に言うと失恋をしたので、「THE END」させるために作らないといけないなと思って撮りました。最初は「THE END」っていうタイトルだったんですけど、「THE END」だと「THE END」過ぎるんで(笑)、もうちょっとポジティブに聞こえるようにしようと思って「THE END OF ANTHEM」にしました。そうすると、やっぱりハバナイの曲が自分の中でめっちゃしっくりきて。「Fantastic Drag」が。あ、麗子ちゃんはハバナイのMVにも出てるよね。なんていう曲だったっけ?

桑原 「LOVE SUPREME」です。3分くらいずっとチューしてるだけの映像です。

東 最高なんですよ。

桑原 (撮影中に)めっちゃ人に見られました。しかも、誰とチューをするのか決まってない状態で頼まれたんです。ハバナイ好きだから、絶対にやりますって感じでOKしました。でも、「知り合いとかはやめて」って言ったんだけど、チューの相手は普通に近所の友達で。その時付き合ってたっぽい人にキレられたりとかして(笑) 歌舞伎町の道路の真ん中にある分離帯でずっとチューしてて、MVには使われてないんですけど、たぶん10分くらいチューしてました。ガン見されました(笑)

東 っていうのが麗子ちゃんです(笑) 麗子ちゃんはミスiDで一目ぼれしてずっと追ってたんですけど、ただの美人かと思いきや、だいぶヤバい子なんです。ヤバさはSNSからも伝わっているかもしれないですけど、私は可愛いけど取扱注意みたいな子が好きなんですよね。本人を目の前にして言うのもあれですけど(笑) あのハバナイのMVを観て、「これは!」と思って絶対に麗子ちゃんには出て欲しいと思いました。本当はもっと暴力的なことをさせてもよかったんですけど、あの金魚は今でも飼ってます(笑)

司会 ご出演されてみて、現場でのエピソードですとか、映画を見てのご感想ですとか、ありますか?

桑原 写真を燃やすシーンを撮る前に「写真はそんなに燃えないから大丈夫」と聞いていて、テストなしで1発で本番を撮ったんですけど、調子に乗っていっぱい火をつけていたらバンバン燃えちゃったんです。警報機はふさいでいたんですけど、家中がすごいモクモクになってしまって、怖くなったので水を流しまくったりしました(笑)

東 火事フラグが立っていたんですけど、麗子ちゃんは冷静に燃やし続けてくれたので助かりました(笑) のあちゃんにも話を聞きたいんですけど、どうでしたか? 演技とかってやったことあるんだっけ?

新倉 いや、ないです。引きこもりの役だったんですけど、素が引きこもりっぽいので普通にしていても結構それっぽくできたのではないかなと思います。

東 いま、ミスiDはセミファイナルまでいってますけど、私はミスiDびいきが分かりやすい人間で、のあちゃんに一目ぼれして今回依頼しました。禁断の多数決でも「ブラジル」という名前で活動していて、曲を作ったりとかもできるよね。

新倉 はい

東 楽器もできる。

新倉 はい。

東 こう見えて意外と多才っていう。しかも頭もめっちゃ良いし。ね?

新倉 ……はい(笑)

東 何か主張しないの?

新倉 な、無いです(笑)

東 こう見えて、わりと承認欲求強めだと思うんで(笑) 撮影会とか、めっちゃ可愛い格好してやってるじゃん。

新倉 やらされてるんですよ。

東 誰に?

新倉 運営の人たちに。

東 あ、運営の人たちに? 引きこもりなのに(笑) めっちゃリア充みたいなテンションで撮影会してます。あのエピソードは、あんまり言うとアレなんですけど、けっこう切り売りしてもらいましたね(笑) 今回、けっこうキャストにも切り売りしてもらってるんですよ。まあ、誰とは言わなんですけど。あたしのエピソードとキャストのエピソードを諸々含めつつという感じで。カナミルはどうでしたか? やってみて。あれ、カナミルって演技をやったことはあるんだっけ?

カナミル 無いです……あ、なんか軽いビデオみたいなのに。「おやすみホログラム」っていう二人組でちょっとやってるんですけど……

東 ちょっとじゃないでしょ(笑)

カナミル 基本的におやホロとして、相方の八月ちゃんと二人でそういうの(=演技)をやらされたりしたことはあります。あまりにも大根役者すぎてそういう仕事もあまり来なくなっていたところだったので、ちょっと心配だったんですけど、何とかなってよかったです(笑)

東 何とかなりましたね。

カナミル 形になって。

東 ギャル役としてね(笑) ガチのギャルではない?

カナミル そうですね。フツーの人間(笑) スクールカーストではけっこう低い方でした。

東 え! そうなの?

カナミル そうですね。あんまり目立ってる方とかではなかったですね。ちょうど真ん中くらい。ギャルの子とも仲良くすれば得することもあるし、普段遊ぶ子は自分と趣味の合う感じで。ちょうどいい真ん中を上手いことやってる生徒でしたね。

東 そう見えないですね(笑) 完全にギャル設定っていうか、未婚のシングルマザー役をしてもらいましたけど、ある意味で一番の「希望」役でした。ジエンドは全体的には失恋の話なんです。失恋してからの話なので、「彼氏の写真を燃やす」とか「彼氏にフラれてツイキャスする」とか「彼氏にフラれたけど子どもを産む」とか、全体的に失恋の話なんですけど……なんか……何を言ったらいいですかね(笑)

司会 どうでしょう(笑) 東さんはこの後も監督としてやってみようという思いはあるんですか?

東 そうですね。映画監督らしい映画はできないので、あたしができることであればやっていきたいと思っています。棲み分けがあるじゃないですか、世の中には(笑) 私は、実験的な映画とか分かりにくい映画とか、大衆受けしない映画とかカルト映画とかがわりと好きだったりするんです。でも、だからと言ってカルト映画がアングラであるということじゃないんですけど……。今回は……お客さんが静かだからしゃべりづらいですね(笑) 今後もいろんな場所で上映していく予定があるんですけど、何かしら微妙に見え方が変わっていったりすると思います。あとは、文字とか履歴書が所々出てくるんですけど、たぶん1回観たぐらいじゃ情報を全部つかめないと思うので、もう1回観に行きたいと思っていただけたら嬉しいです。よろしくお願いします。

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以上、トークの記録でした。

もう一度作品を観て、じっくり感想を書きたくなる映画でした!!

 

上映&トーク終了後は物販がありました。流し目のカナミルの美しさよ・・・

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めちゃくちゃ明るいうえに、会話の内容が同じフロアにいるすべての人に筒抜けになる場所でチェキを撮るという、勇気を試されるスタイル。UPLINKの物販スペースは、あらためてまたじっくり覗いてみたくなる、素敵な空間でした。

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チェキを撮ってくださったのはオガワさん。今月、ライブの追加があるとのことでした。告知が楽しみです。

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監督のトークももっと聴いてみたくなりました。