もしもし、そこの読者さま

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2018年上半期に読んだ本たち(再読も含む)

  6月はまだ終わっていないので少し気が早いですが、2018年上半期に読んだ本の記録です。『特捜部Q』シリーズが面白くて、春先以降はほとんどそればかり読んでいました。本当はもう少し硬い内容の本も読みたかったのですが、途中で少し失速してしまったのが悔やまれます。インプットとアウトプットのバランスを大切に、今年の後半も元気に暮らしていきたいです。

 

斉藤貴志『アイドル冬の時代 今こそ振り返るその光と影』シンコーミュージック 

  アイドルの「冬の時代」と言われた季節を駆け抜けた(元)アイドルたちへのインタビュー集。よくぞこれだけの人たち(高橋由美子田中律子宍戸留美下川みくに ほか)に取材したなという圧巻の内容です。後半の資料編的なページも非常に充実していて、ここ数年で私が読んだアイドルに関する本の中でも、屈指の面白さと読みごたえを備えた一冊だと思います。

アイドル冬の時代 今こそ振り返るその光と影

アイドル冬の時代 今こそ振り返るその光と影

 

 

 稲増龍夫『アイドル工学』ちくま文庫

  芸能やメディアに関して長年研究を続けている著者の、最初期の著作。現在は残念ながら品切れの状態であり、古書で購入しました。この文庫版は、ちょうど「アイドル冬の時代」を迎えたころに発売されており、「虚構としてのアイドル」幻想が崩れ始め、生々しい現実の生を見せつけ始めたアイドル界の変化をも意識して書かれています。有識者・関係者たちとの多くの対談が収録されており、当時の貴重な記録としての価値もある一冊になっています。

アイドル工学 (ちくま文庫)

アイドル工学 (ちくま文庫)

 

 

 文月悠光『臆病な詩人、街へ出る。』立東舎

  詩人の文月悠光さんによるエッセイ。表紙からしてカッコいい。少し熱い感想を以前書いています。 

lucas-kq.hatenablog.com 

臆病な詩人、街へ出る。 (立東舎)

臆病な詩人、街へ出る。 (立東舎)

 

  

こだま『夫のちんぽが入らない』扶桑社

  漫画版がヤンマガで連載開始されるということで、いまさらながら原作を読んでみました。非常に良い作品でした。「エッセイ」ではなくて「私小説」であることの意味は、とても大きいのかもしれないと思いました。物語を次のステージへと駆動していく仕掛けとなる人物が何人か登場するのですが、彼ら/彼女らの配置が絶妙に巧い。これは、「私小説」として書かれているからこそできる脚色。以前、当ブログで短い感想を書きました。 

lucas-kq.hatenablog.com 

夫のちんぽが入らない

夫のちんぽが入らない

 

  

町田康『ギケイキ』河出文庫 

  『義経記』を現代語に翻訳した小説。源義経の幽霊が、現代を「語りの現在」として物語を語ります。無茶苦茶なお話に見えるのだけど、原作自体が非常に荒唐無稽なので、実は原作に忠実に訳しているだけ。町田康節とも呼ぶべき語りのリズムとの相性が抜群で、笑いながら一気に読めます。

ギケイキ: 千年の流転 (河出文庫)

ギケイキ: 千年の流転 (河出文庫)

 

 

 近藤聡乃『ニューヨークで考え中2』亜紀書房

  『ニューヨークで考え中』の第2巻です。シンプルな線で可愛らしく描かれたエッセイコミック。日米の文化の違いについていろいろと蒙を啓かれます。すべての文字がおそらく手書きで書かれていて、そこも見所。綺麗な字に見とれてしまいます。

ニューヨークで考え中(2)

ニューヨークで考え中(2)

 

   

 ユッシ・エーズラ・オールスン『特捜部Q』シリーズ、ハヤカワ・ミステリ文庫

  デンマークの作家が書いた警察小説。めちゃくちゃ面白いです。エンタメのお手本というべき出来。ピンチの訪れ方とか、失ったものを主人公が取り戻していくペースとか、その辺のバランス感覚が非常に巧い。主人公が3枚目キャラなところも素敵。

特捜部Q ―檻の中の女― 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕

特捜部Q ―檻の中の女― 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕

 
特捜部Q―キジ殺し―

特捜部Q―キジ殺し―

 
特捜部Q ―Pからのメッセージ― 〔上〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

特捜部Q ―Pからのメッセージ― 〔上〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

 
特捜部Q ―Pからのメッセージ― 〔下〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

特捜部Q ―Pからのメッセージ― 〔下〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

 

  

特捜部Q―カルテ番号64―(上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

特捜部Q―カルテ番号64―(上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

 
特捜部Q-カルテ番号64-(下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

特捜部Q-カルテ番号64-(下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

 

 

 

カルロ・ゼン 『幼女戦記KADOKAWA

  幼女戦記の最新巻。相変わらず荒唐無稽な話をしっかりと読ませます。戦争の行方はいったいどこへ向かうのか、続きが楽しみです。

幼女戦記 9 Omnes una manet nox

幼女戦記 9 Omnes una manet nox

 

  

 panpanya『二匹目の金魚』白泉社

  かわいいのに、なんだか少し妖しい画風が今回も冴えています。不思議な国に一緒に迷い込んでいく読書体験ができます。読むのに結構体力を使うんだけど、気持ちよいです。

二匹目の金魚

二匹目の金魚

 

 

 山田芳裕へうげもの講談社

  堂々の完結、という言葉はこの作品のためにあるのかもしれない。音楽からの引用を織り交ぜながら、時に熱く、時にクールに古田織部の一代記を描いています。終わるのが寂しい作品です。

  

ゴトウユキコ『ウシハル』小学館

  『夫のちんぽが入らない』のコミカライズが始まる前に再読しました。ウシハルがとにかく魅力的。『水色の部屋』にも見られる、男女が背中合わせで寝転ぶという構図は、実はこの作品で既に登場しています。単なるフェチ漫画ではなく、ちゃんと群像劇になっていて素敵です。

 

村田雄介ワンパンマン集英社 

 とにかく絵が巧い。アクションを描くのが日本で一番巧い漫画家さんかもしれません。主人公の活躍を引き延ばしまくって、はや16巻。最高のカタルシスを早く見せて欲しいけれど、それは同時にこの作品が完結することも意味してしまうのかもしれません。だから、まだまだ引き延ばされたい気持ちもありつつ、楽しみに続巻を待ちたいと思います。

ワンパンマン 16 (ジャンプコミックス)

ワンパンマン 16 (ジャンプコミックス)

 

 

鈴木央七つの大罪講談社 

 こちらの作品も、真の主人公の活躍を上手に引き延ばし続けています。一応、「七つの大罪」と呼ばれる7人の戦士たちが主人公であるのだとは思いますが、アーサー王が誕生するまでの前日譚であることは明らか。戦闘不能になったアーサーがいかにして復活を遂げるのかが楽しみです。

七つの大罪(31) (講談社コミックス)

七つの大罪(31) (講談社コミックス)