Sexy Zoneには明るい物語がよく似合う - もしもし、そこの読者さま

　Sexy Zoneの特番『極限合宿を監視中!!3日間で人生は変わるのか!?』（日本テレビ系）を観ました。放送からだいぶたちますが、感想を書き残しておきたいと思います。

　第４弾となる今回は、これまでとは少し形式が異なり、スタジオで収録された映像等はありませんでした。６０時間にわたって行われた合宿の映像のみで構成されており、メンバーだけ(※独りで課題に取り組んだ佐藤勝利くんには若干のゲストあり)の濃い日々を一時間に濃縮した番組となっていました。　

　それぞれの企画は、「可愛さ」と「カッコよさ」と「育ちの良さ」の見せ方のバランスが絶妙でした。

「ふまけん」コンビに振りコピをさせるという企画はとても秀抜だと思いました。今こそ！だよなあって。マリウスが挑戦したパラデル漫画はどんなものが出来上がるのかワクワクさせつつ、番組を感動的に締めくくる素晴らしい映像に仕上がっていて感動しました。そして、独りでダジャレに挑んだ勝利くんはひたすら可愛かった、、、。

　今回の番組は、もちろん各々が挑戦した企画がメインなのは言うまでもないけれども、やはり夕食での熱いトークがハイライトでした。

　松島聡くんが不在のSexy Zoneにおける、みんなの不安と、希望が交錯していた。「いまは内を向いて」と言う勝利くんの言葉にジンとしました。「松島聡を抜きに、外向きの目標を立てて進んでいくことはしたくない」という意味なのでしょうか。さすが世界一の五人厨。

　Sexy Zoneのすごいところは、メンバーそれぞれがきちんとアイドルの仕事に向き合って、自分を高め続けているところだと思います。彼らが変化して成長していくことによって、初期の曲の聞こえかたもまるで違ってきているところが特に素敵だと思います。それが顕著に出ていたのが、24時間テレビで彼らがデビュー曲「Sexy Zone」を歌った瞬間だったと思っています。とんちきな歌だと思っていたあの曲が、24時間テレビにピッタリの曲になっていました。世界を愛で包んで変えていこうとする、強い決意の歌に聞こえました。

　いや、もともとそういう歌だったのだと思います。でも、デビューしたての彼らは、「Sexy Zone」をモノにできていなかったようにも思います。たとえるならば、「冒険の始まりでいきなり最強の呪文を授けられていたけれど、MPが足りていなかった」とでも言いましょうか。呪文を口に出すことはできるけど、魔法は発動していなかった的な。しかし昨年、24時間テレビのパーソナリティーを務めるほどに成長した彼らは、私たちに立派に魔法をかけてくれていた。そんな風に感じました。

　もっとも、こうした現象はアイドルの界隈では珍しいことではないことであると思います。私の好きなおやすみホログラムというユニットも、数年前の割と活動初期のタイミングに「strawberry」という非常に難しい曲を与えられたのですが、当時はきちんと歌いこなせていませんでした（その時の粗削りな感じも。それはそれで良かったのですが）。しかし、今年になって久しぶりにその曲をやった時に、あまりに見事に歌えていたものだからびっくりしたことがありました。「MPが足りない」時の味わいと、十分に成長してからの完成度の両方を楽しめるのが、息の長い活動をしてくれているアイドルの魅力の一つなのかもしれません。

　また、今回のSexy Zone特番を観ていてあらためて感じたのは、誰かを傷つけることのないような言葉選びの妙でした。ネガティブな深読みが生じることない、優しい言葉を自然に使うことができるのもSexy Zoneの魅力だと思いました。自分達の見られ方を真剣に考えていて、なおかつ、わざとらしさが無い。そうした人徳が彼らにはあるように思いました。普遍的な価値を唱導できる、稀有なアイドルだと思います。

　最近の様々な炎上案件を見ていると、これからの芸能人には、まさにこの資質こそが求められているのだと感じます。

　そういう意味では、例えば、新しい学校のリーダーズというユニットなども、普遍的な価値を唱導できるユニットです。彼女達のコンセプトは「個性や自由ではみ出していく」。閉塞感の漂う時代に真っ向から挑んでいく姿勢が胸を打ちます。

lucas-kq.hatenablog.com

　また、先に少し名前を挙げたおやすみホログラムも、なるべく堅苦しい制約を設けない自由なライブ空間が魅力のユニットです。そのおやすみホログラムがHave a nice day!というバンドとコラボして発表した「エメラルド」という曲があるのですが、現代のアイドルとしての決意表明とも取れる痛快な曲になっています。Sexy Zoneとも妙なシンクロ感のある名曲です。