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え、そこでそんな場内乱闘仕掛けるんすか? 8月26日(金)@ロフトプラスワン 暑気払いスペシャル~Let’s go Crazy!(黒宮れい、金子理江、おやすみホログラム、もふくちゃん、水野しず)

 「The Idol Formerly Known As LADYBABY」として活動を再開する黒宮れいさんと金子理江さんのトークイベントに行ってきました。司会はもふくちゃんこと、福嶋麻衣子さん。そしてゲストとして、おやすみホログラムが登壇しました。LADYBABYとおやホロは、来月にリキッドルームで2マンをすることが決まっていて、その前フリ的な意味合いもあったのかもしれません。そして何より、LADYBABYの二人のモチベーションやトーク力等を育成・刺激しようとしているっぽい「大人」の思惑も感じました。客席には若い女の子がめちゃめちゃたくさんいて、おやホロ勢は完全にアウェイな空間でした。他グループの宛先が可視化された光景って、新鮮で面白いっすね。

 トークの前半は、充電期間中にライブを観に行くなどしてのびのび過ごしていたという、れいちゃんのお話や、れいりえの仲良しっぷりが分かるエピソードなどが披露されました。というよりむしろ、もふくちゃんさんが上手に二人を転がして、話を引き出していました(笑) この日のMVPはどう考えてももふくちゃんでした。登壇者の顔ぶれが発表された時点でそれは自明でしたが、やっぱりもふくちゃんのバランス感覚に救われたところのあるイベントだったと思います。しかし、れいりえの二人も破天荒なようでいてしっかりと面白い話を繰り出すことができるのに少し感心しました。LADYBABYの二人は、マイクを通して話していない時でも、二人でいちゃいちゃしている姿を観客に見せびらかすだけで、コンテンツが成立してしまうのはさすが! 画的な強度がすごかったです。

 二人の近況などを軽く話した後は、LADYBABYが登場時のあいさつで使用する新しい前口上を考えるコーナーに。フロアからアイデアを募りますが、これがまあ出ない出ない。みんなシャイなのか、緊張しているのか、なかなか手が挙がりません。私はおやホロのオタクですが、しびれを切らして発言してしまいました(笑) その後、シンキングタイムも兼ねて一旦休憩を取ることに。時計を見ると、開始してからまだ30分くらいしか経っていない。早すぎる。休憩後は次々と意見が上がるようになり、もふくちゃんや、袖にいる大人の皆さんも安堵の表情を浮かべていました。

 フロアから出た意見をたたき台にして口上を考えていく、ということになり、このタイミングでいよいよおやホロが壇上に呼び出されました。乾杯をすることになり、八月ちゃんはコーラを、カナミルはコロナビールを注文しました。こうしておやすみホログラムを交えたトークが始まったわけですが、オタクたちの心配をよそに、最初は意外と話が弾んでいたように見えました。八月ちゃんの「〇と〇ち〇ロ」の話にはすごく笑わせてもらいましたし、小川さんに霊感があるというくだりも盛り上がってました。しかし、とにかくカナミルがしゃべらない。コロナビールを飲み干すカラクリ人形と化したカナミルは、それはそれでめちゃめちゃ面白かったです、ちょっとドキドキしました。やがて、「おやホロに話が振られるとLADYBABYが休む」「LADYBABYが話を始めるとおやホロが休む」といった感じが濃厚になっていき、時間が十数分余り始める事態に。

 ここで、水野しずさんが召喚されました。この記事の中心は、この最後の十数分間の報告にあります。私が何のためにこのレポを書いているかというと、ここからの展開についてモヤモヤしたからです。水野さんはまずLADYBABYのアートワークについてのダメ出しからしゃべりはじめました。フォントがダサいとか、卵が光っているのがヘンだとか、そういうような話をしておられました。まあ、たしかにイケてないような感じがしないでもないし、フロアのお客さんたちも少し笑っていました。

 

ladybaby-fc.com

  

 水野しずさんは、金子理江さんと同時受賞でミスiD2015のグランプリを獲った者同士だし、LADYBABYの活動にも深くコミットしているし、いわばレーベルメイトみたいなものだと思うので、こういうトークができるのでしょう。しかし、勢いづいた水野さんのトークは止まるところを知らず、その舌鋒は八月ちゃんに向けられることとなりました。

 まず、美大卒でアイドルをしている人が増えているということへの言及から始まり、インスタレーションアートとしてのアイドルみたいなものは、もう辞めた方がいいんじゃないのという趣旨の発言を水野さんがしました。突然の攻撃的なコミュニケーションに八月ちゃんも面食らったようで、すぐには応答することができず、以後水野さんの演説が展開されます。水野さん自身も、自分の中で考えや立場が固まり切っていない部分もあるようで、内容を追い切れない部分が多々ありましたが、だいたい次のようなことを言っていたと思います。

 「アートとしてのアイドルはもうありきたりなものになってしまっている。アートやってますみたいな感じをベタに出すのはやめませんか。私はそのことについて真剣に考えてきた。別に八月ちゃん自身を責めているわけではない。」

 とまあ、こんな感じです誤りもあるかもしれません。その時は本当にごめんなさい。でも、大筋はこの通りで間違いないと思います。フロアにいた人間にはこういう風に伝わりました)。あとは、「ミーム」の概念を援用して何かを言おうとしていましたが、まだうまく言葉にできないらしく、目茶苦茶でよく分かりませんでした。八月ちゃんの反論はこれらのことをしゃべり切った後にようやく行われたので、見かけ上は以上のことを一方的にまくし立てられる形になりました。ただ、このことは別に悪いことではなく、うまくキャッチボールできなかったスキル面での問題とか、何より突然のタイミングだったというのもあるので、致し方ないと思います。

 しかし、感心しないのは(率直な言い方が許されるならば「胸糞悪かったのは」)、彼女の話法です。水野さんが口撃する対象には、彼女のこれまでの活動を見る限りでは、当然水野さん自身が含まれるだろうと思います。しかし、「自分はそのことについて真剣に考えてきた」という、たったそれだけのことで、自分だけをメタレベルの位置に置き、無根拠な免罪を自身に与えようとしているような印象を受けました。もしかすると、自分もそこに含まれていることを強く自覚した上で、水野さん自身も心を痛めながらのご発言だったのかもしれませんが……。ただ、それでもやはり、「わたしは真剣に考えてきたから」という表現で自分を口撃の対象から巧妙に外そうとしているかのような印象がぬぐいきれませんでした。それこそ、「ダサい」なと思わずにはいられませんでした。また、「八月ちゃんを責めているわけではなくて」という言い方をすることで、フォローになるとでも思っている神経も理解できません。だって、あの会場には、アートとアイドルの領域を横断するような活動をしている/していたことがある人物は、水野しずさんご自身を除いては、八月ちゃんしかいなかったのですから。あのエクスキューズでもなんでもないエクスキューズを付け加えたところで、水野さんの頭の中で想定された「ビミョーな美大卒アイドル的なもの」として、八月ちゃんを不当に代表させたダメージは、少しも減じられることはないのです。

 そして、一番言いたいのはこのことなのですが、そもそも八月ちゃんは「アート」の要素を前面に出すことを徹底的に禁欲して活動してきたアイドルではなかったでしょうか。おやすみホログラムとしての活動において、彼女は自分のクリエイティビティをひけらかすことはほとんどありません。去年、ゆるめるモ!のようなぴちゃんと行なったイベントの中で、八月ちゃんは次のような発言をしています。

  

私はあんまり音楽詳しくないんだけども、いま、うちは小川さんが一人で楽曲を作っていて、おやホロとして私が活動している時は、作り手の作品の世界を最大限に出すことに努めてます。

 

『八月ちゃん』という個体になった時に、私の個人的なパフォーマンスを出したい。

 

lucas-kq.hatenablog.com

 

 上の発言を見れば、八月ちゃんのスタンスは明らかでしょう。また、同じイベントの中で、アイドルになろうと思った動機について語った際には次のようなことを述べています。アイドルという立場をダシにして、自分のアートを見てもらおうというようなヌルい動機ではありません。 真面目に音楽活動にも向き合っていて、プロデューサーのプランにしっかりとついてきている八月ちゃんに対して、水野さんの発言はあまりにも失礼な発言ではなかったろうかと思います。

 

私はドルオタではなかったんだけど、でんぱ組さんのライブに行ったことがありました。ファンの人たちの熱狂を見て、自分も何か人のエネルギーになりたい、そこに行きたいって思った。『そこに私がいないの嫌だ! 俺もそこにいたい!』って(笑)

 

 もしかしたら、水野さんは、おやホロが出演した「なだれ坂」の映像をちょこっと観た程度の印象で、八月ちゃんを突っついてみたのかもしれません。いや、彼女に限ってそんないい加減なことはなさらないと思いますけども。

www.youtube.com

 

 あるいは、一向に盛り上がらないトークに業を煮やして、あえて場を刺激するような発言をしてくださったのかもしれません。でも、アイドルを変な圧力釜に突っ込んで場を盛り上げるようなことこそ、やめにしませんかと私は言いたい。誰も幸せにならないもの。自分の一番好きなアイドルが、嬉し涙ではない涙を流して泣いている姿なんて、ファンは観たくないと思うのです。

 

 

 

※水野さん「ヒール」説は、越田さんも既にご指摘されていました。

koshi0816.hatenadiary.jp

 

 モヤモヤすることもありましたが、イベントそのものは悪くなかったと思います。何より、私としては、初めて他のおやホロオタの方々と親交を深められたりして、すごく楽しい時間でした。もっと長居したかったけど、朝一で用事があったので、ひっそりと帰路につくことが惜しまれるほどでした。

 ともあれ、エントリーした八月ちゃんトーナメント、頑張ろうと思います。

 

 

☆その他トークイベント系のレポートを書き残しているので興味ある方はどうぞ☆

 

lucas-kq.hatenablog.com

 

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