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ユユ・ココ・ドクソンのオーディオコメンタリがひたすら可愛い 『WHO KiLLED IDOL? SiS消滅の詩 ディレクターズカット』

 エリザベス宮地監督のドキュメンタリー映画『WHO KiLLED IDOL? SiS消滅の詩 ディレクターズカット』を観ました。今年(2017年)の2月に劇場で一度鑑賞し、感想を書いたことがありました。その後行われた「大反省会」というトークイベントにも足を運びました。 

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 DVDで見返してみると、映画館で観た時とは印象がだいぶ変わった部分もあって、不思議な感じがしました。映画館では、渡辺淳之介氏の言葉とか、松尾監督の言葉にポワァ~っとアテられて、「熱い! エモい! 感動した!」というような気分にさせられたのですが、DVDだとより冷静な気持ちで観られている自分がいることに気が付きました。この映画のナレーターでもあり視点人物でもある、山下百恵さんという女性がいるのですが、映画館で観た時よりも彼女に感情移入できた感じがしました。山下百恵さんは、つばさレコーズのインターンの学生さんで、BiSオーディションのお手伝いをしていた方でした。彼女は特にアイドルに思い入れがあるわけでもなく、「異常」な芸能の世界に迷い込んだ一般人として、一歩引いた立場でオーディション参加者とSiSの4人を見守る役割を果たしています。

 映画館ならではのふわふわした没入感とは無縁な場所でこの映画を観てみると、手放しに「渡辺さん、カッケーなあ」とか「清水さん、カッコ悪いなあ」といった想いを抱くことはできなかったです。作品の中に仕込まれた、渡辺氏と清水氏の人物像を対比的に際立たせる編集の仕方に流されることなく、大人たちに振り回されたSiSの4人への愛着のようなものが純粋に増幅されていくというか。彼女たちの流した涙と、成長していく姿が印象的で、大人たちのガチャガチャしたやり取りは後景に退いていくような印象を持ちました。

 「アイドルは死んだ。私が殺した。」という物騒なコピーがつけられていますが、「死」のあとの「再生」の方を丹念に追いかけた映画なので、観た後は明るい気持ちになれます。元SiSのココ、ユユ、ドクソンも華麗に再生を果たしますし、ギャンパレも息を吹き返しますし、そのあたりが描かれる後半が救いになっています。あと、内容とはあまり関係ないんですけど、BGMのチョイスとか入れるタイミングとか、字幕の入れ方が、1995年ころの映像作品を彷彿とさせる感じで、私好みでした。

 そして、このDVDで新たに追加されたのが、清水さんのその後の姿を収めたパートです。宮地監督と清水さんと高根さんの3名で居酒屋で飲んでいる様子が記録されているのですが、清水さんの清々しい笑顔が良かった。この人もきちんと「再生」できて、生き生きと過ごしていらっしゃるのか、という安心感。3人が話している内容は、BiSHのドキュメンタリー(12月9日公開!!)を撮るにあたって悩んでいる、宮地監督の悩み相談みたいな内容になっていました。そういう意味では、BiSHのドキュメンタリーのちょっとした宣伝みたいにも見えます。最近のWACKの、「事務所担当」を作りにいってるかのような戦略の延長線上にあるのでしょう。今年の春先のオーディションは、それが露骨でしたし、案の定というか、シャッフルユニットも作られました。

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 しかし、この清水さんのその後を収めたパートには、この映画の主役となっている元SiSメンバーのファンにとっての嬉しいオマケがついていました。ユユ、ココ、ドクソンのオーディオコメンタリです。清水さんへの思いや、当時どのような気持ちでいたかということなのが赤裸々に語られています。ギャンパレのファンならば必聴かもしれません。細かい内容は、ぜひDVDを手にして、本編と一緒に楽しんでほしいと思います。いち映画ファンとして普通に面白い映画だと思うので、いろんな人に観てもらいたいと思いました。

オーディオコメンタリの中で、メンバーが「ギャンパレファンのバイブルになってほしい」「いろんな人に観て欲しい」といった発言をしていたのですが、本当に心からそう思います。少しだけネタバレすると、ユユちゃんの実家に清水さんが謝りに行った話とか、清水さんが劇中で放ったある言葉に、いまだにユユちゃんの家族が少し怒っている話とかもあって、それもまた面白かったです。三人の、まったりとした可愛らしいトークは、思わずギャンパレを好きになってしまいそうになるほどで、たいへん素敵でした。テラシマユウカさんの芯の強そうなところに惚れます。

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