もしもし、そこの読者さま

ライブアイドルのライブレポ、Sexyzoneのライブレポ、映画・舞台・本などの感想などなど

【完全版】半年ぶりの、おやホロ試聴会! 5月21日(月)新譜試聴会&PV上映会&リキッドルームワンマンお疲れ会!@ネイキッドロフト

 おやすみホログラムトークイベントに行ってきました。トークイベントを行うのは、年明けに行なわれた音楽制作について語ったイベントぶりでしょうか。「試聴会」としてはおよそ半年ぶりとなります。今回は、先日行なったばかりのワンマンライブ(@恵比寿リキッドルーム、5月19日)の反省会も兼ねており、面白いイベントになる予感しかない、最高のタイミングでの開催となりました。

 

  

 直近のトークの記録はこちらからどうぞ

lucas-kq.hatenablog.com

lucas-kq.hatenablog.com

lucas-kq.hatenablog.com

 

 当日のトークの内容を全て起こしました。来られなかったみなさんや、来ていたけどじっくり振り返ってみたいというみなさんも、どうぞお楽しみください。

 例によって、フロアの反応は()で括ってあります。

 

******

八月 皆さんこんばんはー。私たち・・・せーのっ!

三人 おやすみホログラムでーす♪

(かわいい~~~~)

八月 オガワさんも言うんだ(笑)

オガワ 概念だから。

八月 概念(笑) ということで、どうぞよろしくお願いします。

カナミル おねがいしまーす。

八月 えー、今回はですね・・・

(仕切るの? 司会やるの?)

八月 え、誰がやってくれるの? オガワさんやる?笑

オガワ ・・・。

八月 はい。ということで(笑)

(いぇーい!笑)

(今日は写真撮っていいの?)

八月 あ、どうなんですか? 今日は?

オガワ 写真はNGでお願いしまーす。動画もNGで。

八月 今日はみんなで飲んだり食べたりしましょう。

オガワ 目に焼き付けてもらうということで。

カナミル じゃあ、今の時点からダメということで。

オガワ じゃあ、今から25秒間だけはOKにしましょう。

(おお~!!)

オガワ はい、じゃあいきまーす。1、2、3、4・・・ハイ終わりでーす! 注文の状況によってボーナスタイムがあるかもしれないですね。

(頼むぞ~!!)

八月 というわけでですね、一昨日は恵比寿リキッドルームでのワンマンライブでした。この中には来ていただいた方もたくさんいらっしゃると思います。ありがとうございました。

カナミル ありがとうございました。

オガワ ありがとうございました!

八月 無事にワンマンライブを終えられたわけなんですけども、私たちはこれからアルバム『4』の発売を控えています。今日は『4』の曲をじっくり聴きながら、みんなと一緒にお酒を飲みたいと思っております。

オガワ いつもは「爆音試聴会」と題して、ディスクユニオンさんのduesでやるんですけども、ちょっと1回汚くなりすぎたために仕切り直しということで(笑) ネイキッドロフトでやろうと(笑) みなさんも来やすい感じなので良いかなと思いまして。Duesの時には爆音で流して、聴いてからトークという感じだったんですけど、ワンマンに来てくださった方も多いと思います。なので、流しながらしゃべるというような流れでやっていきたいと思います。もしまだ買っていない方がいらっしゃいましたら、今日はサインが付きますのでどうぞお買い求めください。

(え、ワンマンの日に買ったのにサイン付かないの・・・?)

オガワ そうなんですよ~。そういうもんなんですよ(笑) じゃあ、まずはみなさん、乾杯をしましょうか。

カナミル おやホロはちょっと打ち上げで飲みすぎたんで、私はもう二日酔いですごく肝臓を痛めました。

八月 痛めたの?

カナミル 痛めたよー。だって、6時半まで飲んだじゃん。八月ちゃんはもう、灰のようになって帰ってったよ(笑)

オガワ 途中から寝てたからね。

カナミル 灰のようになって「あー、無理。もーう無理。」ってなってた(笑)

八月 アヒトさんが、もうね、強すぎますね。

オガワ まあ、その話はまた後でゆっくりしようね。アヒトさんの飲み方については。

八月 そうね。今後ね。

オガワ では乾杯をしましょう。

カナミル ちなみに、今日はおやホロの特別なドリンクがあります。

オガワ そうね。ハチコのがノンアルコールで、カナミルがなんだっけ?

カナミル レッドブルウォッカです。名前もちゃんとついています。八月ちゃんのが「ガムボールワトソン」で、あたしのが「キズぐすり」。

オガワ それから、ブリュードッグのパンクIPAや、おつまみもあります。それらを注文していただくと抽選券がもらえるようになっています。最後にプレゼントが当たる抽選会を行いますので、お楽しみにしていてください。大したものは無いんですけど(笑) デカいものもあります。では、乾杯を。

八月 はーい。乾杯しましょう。お疲れ様会の乾杯でいいのかな? 5月19日恵比寿リキッドルーム、お疲れさまでした~。

カナミル お疲れさまでした~。

八月 せーの・・・

((((かんぱーい!!))))

オガワ では、さっそく曲を流しながら思い出話や制作の裏側とかをお話していきましょう。1曲目はこれです。

八月 「colors」ですね。

オガワ みなさんのお手元には歌詞カードも配られていると思うので、ご覧になってください。

(※再生開始)

オガワ これはMVも作ったので、みなさんも結構お聴きになったかなと思います。二人はこの曲について思い出はありますか?

カナミル これは一番最初にできた曲ですよね?

オガワ そうだっけ?

カナミル そうですよ!

オガワ そうだっけ?

カナミル そーだ!!

オガワ そうだそうだ。今回も結構バタバタしていたんですよ。皆さん何となくわかっている通り。バタバタ作って、「colors」と「freak」と「stay」だけはバンド曲なんです。バンド曲って僕がすることがあんま無いんで、早く仕上がるんですよ。打ち込みの曲は全部自分で作るので。大変な方はとりあえず後回しにして、まずはバンドの方から録り始めるんです。まあでも、歌うのは大変っちゃ大変だよね。生だから。

カナミル でも、「colors」は一番歌いやすかったです。

オガワ この曲のドラムはアヒトさんに叩いてもらったんですけど、NUMBER GIRL時代のセットを全部持ち込んでもらって録ったんです。

(へえ~~~!!)

オガワ それをちょっとやってもらいたかったんです。この曲は渋谷でゲリラでやった時にもうたったよね。

八月 そうですね。いっぱい歌った曲です。

カナミル 良い曲だよね。あたし、このアルバムの中で一番好き。

八月 うん、良い曲。ほんとに。

カナミル めっちゃ良い曲だよ。

オガワ できた時は、ちょっとこれYUIの曲みたいだなと思ったんですけど、編曲したら全然YUIではなくなりました(笑) CHERRYっぽさがあるかと思ったんですけど。じゃあ、続いて2曲目も聴いてみましょうか。

(※再生開始)

オガワ これは「freak」という曲で、ワンマンでもやりました。バンド曲の中ではこれが一番好きかもしれない。なぜ好きかと言われたら、自分で言うのもあれだけど、良いメロディだなと思うんです。

八月 実はね、私もこれ好きなんですよ。

オガワ どんなとこが好き?

八月 お魚の曲だから。

オガワ ちなみに、それぞれの曲はデモの段階での仮タイトルもあります。「colors」は「echo」という題名でした。

八月 そうだった?

オガワ そうだよ。

カナミル オガワさんの中ではあったかもしれないけど、うちらに渡った時にはもう「colors」だったよ。

オガワ うそ~?

八月 オガワさんは本当に直前までタイトルが決まらないから。けっこう困るんだよ。

カナミル こっちもさ、歌うからさー、何回も聴いて自分の中での思い入れみたいなのを作るからさー。それで結局、タイトルが変わりましたってなったら、ドサーってなるよ(笑) 分かるよね? この気持ち。

八月 分かる分かる。

カナミル タイトルとか内容でいろいろ考えてきても、結局直前になって全然違うタイトルになるって言われたらズコーってなる(笑)

オガワ タイトルって本当にどうでもいいじゃん。

カナミル オガワさんはどうでもいいのかもしれないけどさ。

八月 どうでもよくないんだよ。

カナミル うちらはこれをさ、これから何十回何百回と歌うんですよ。

オガワ そうですね(笑)

八月 ライブとかでさ、「それでは次の曲、『colors』です!(どうでもいいタイトル)」っていうのは嫌だよ(笑)

オガワ そこまでに気持ちを込めるんですよ。

八月 ・・・。

カナミル ・・・。

オガワ はい、次の曲いきましょう(笑) 「stay」です。はい!

(※再生開始)

オガワ この曲は、デモ段階で一番ウケが悪かった曲なんです。

(え、誰のウケ?)

(メンバーの?)

カナミル あたし、この曲も大好きだって言ったよ!

オガワ 言ってたっけ?笑 あれ、誰だっけ。なんか「パンチが足らねえ」ってけっこう言われて。樹音かな? 樹音かも。樹音が悪い(笑) 「オガワさん、ちょっとこれ弱くないっすか?」って言われて。

カナミル めっちゃエモだよ。エモを追求した曲ですよ、これは。

オガワ こないだのワンマンライブの時に、やっといちばんやりたかった形でできたかなと思います。あ、板垣ピロもパンチが弱いって言ってた気がする。はい、では紹介します。今日のスペシャルゲストの板垣ピロです。3ピースバンドのドラムです。

(※拍手)

ピロ パンチが弱いっていうか。デモ録りをするからということでスタジオに呼ばれた時に・・・

オガワ あ、そうだ。アヒトさんが遠方にお住まいだから、板垣ピロでプリプロをやったんですよ。

ピロ で、入ったときにこれを聴かされて「『OMOIDE IN MY HEAD』を3拍子でやってくれ」って言われて、「どういうこと?」ってなりました(笑) パンチが弱いとは言っていなくて、正確に言うと「よく分からない」って感じです。よく分からなかった。

オガワ この3曲で僕がやりたかったことがあって、アヒトさんはNUMBER GIRLでやっていたイメージがすごく強い。彼は良いドラマーなんですよ。でも、「NUMBER GIRLの~」ってつくことに対して本人はもうこだわっていないんですよね。僕も、そういう先入観のようなものは抜きにして、一人の音楽家としてこの人と面白い作品を作ってみたいということを突き詰めていったのが、今回のアルバムの最初の3曲なんです。NUMBER GIRLっぽくして作ることもできると思うんですけど、そういうことをするのではなく、彼の今の良いところを引き出してアルバムを作るということが、僕の今回の挑戦だったんです。それを先日のワンマンで「できた!」と思えたことがすごく嬉しかったです。半ば僕のエゴなんだけど、それをやってもらったアルバムです。はい。板垣さんありがとうございました(笑)

八月 ありがとうございました!

オガワ これは全体図を伝えるのが難しかったね。

八月 歌ってみないと分からない曲ではありましたね。ピロさんが言うように、ちょっと私も分からなかった。

オガワ 歌詞をけっこうこだわったんです。今回はけっこう参考にした本があるんです。今日のプレゼントとして1冊持ってきているんですけど、例えばこれです。これは、ウイリアム・ギブスンの研究本みたいなやつです。あとで抽選に当たった方に差し上げます。おやホロの「ニューロマンサー」という曲があるんですけど、『ニューロマンサー』という小説を書いたのがウイリアム・ギブスンです。サイバーパンクの先駆け的な作家ですね。「ニューロマンサー」を出したときに本人がリツイートしてくれたんだよね。はい、ということで「stay」でした。では次の曲に行きましょう。「old moon」。

(※再生開始)

オガワ これは曲名が変わりましたよね。

八月 これだよー。これこそ! いまだに前の曲で覚えちゃってる。

オガワ 「scare walk」だったね。

八月 そうそう。

カナミル 前の曲名で呼んじゃうもんね。

オガワ ライブでもこれはまだ2回しかやってないよね。再現ライブとワンマン。

カナミル これは滑舌の問題も発生した。「輪の中」が言えなかった。私はすごく滑舌が悪いから(笑) 言葉が多い曲は噛んでしまう。舌が回らないんですよ。大変だったー。何百回も歌った。

オガワ ベスト「輪の中」が収録されているよね。

カナミル そう(笑) カナミルのベスト「輪の中」です(笑) 言葉が連なってる系の曲は苦手です。

オガワ まあ、でもライブでも歌えているからやり切ったよね。今回は打ち込みの曲の中に特に難しい曲が多いですね。BPMが遅いから。

八月 私、最初はこの曲もパッとしなかった。でも聴けば聴くほど良い曲だなと思うようになりました。

カナミル めっちゃ分かる。

オガワ スルメっぽい感じ?

カナミル ちょっとJ-POPっぽいよね。ベースラインとかが。

オガワ そうね。今回のアルバムが今までと変わったところって、けっこう僕がベースを弾いてるんですよ。シンセベースでやっているのって2曲くらいかな。そこが音的に結構変わったところかも。あと、ビートも意識してちょっと少なくしたかな。

(「今日」とか「明日」って言葉がたくさん出てくるよね。)

カナミル 歌詞を覚えるのが大変だったかもしれない。

八月 「明日」のことを「アシタ」とか「アス」とか歌い分けるし。

カナミル そうそうそうそう。1番と2番で全く言葉も変わるし。

オガワ 置き方がね。

カナミル そう、置き方が。

オガワ メロディが全然違うからね。

カナミル だから覚えるのにすごく時間がかかった。この曲歌う時は心配だった~。

オガワ これはけっこう俺っぽい曲だなあと自分でも思うよね。では、続いて「raincoat」いってみますか。

(※再生開始)

オガワ この曲難しいよね、すごく。

八月 どぅるどぅっどぅっどぅっどぅ~のところが難しいです。

オガワ これは難しいねえ。仮歌入れるのも結構大変だったから。「raincoat」には如実に出ているんですけど、おやホロの曲でかぶせは基本的に無かったんですよ。でも、この曲では、カナミルが上と下の両方を歌ってる部分があるんですよ。今までのおやホロの曲だったら、こういうところは二人で歌っているんです。ハチコが下で、カナミルが上でっていう風に。でもこの曲は1人で下と上を歌っているから、オケに片方のパートを歌っている歌声を乗っけてあるんです。今聴いているところだと、下の音が入れてあるんです。そういうオケの作り方も意識して、ライブパフォーマンスで良いものを見せようと思ってそういう決断をしたんです。以前だったら、ライブでは再現できないからやらないって感じだったんです。でも、それもライブの中で音色としてやってみても面白いんじゃないかなって思って。

八月 え、やらなかったことってなくない?

オガワ 何を?

(かみ合ってないよ笑)

八月 今まで、ライブでやらないってなった曲は無いよ。

オガワ あ、違う違う。ライブで「再現できないから」。一人の人の声で二つの音が鳴っているっていうのは、普通はありえないことだから。でもそれをOKにしちゃったんです。けっこう自分の中で決心をしてやったことなんです。

八月 オガワさんが?

オガワ そう。「かぶせ」って大嫌いだったんだけど。まあでも、かぶせではないんだけどね。かぶせって、同じ音が流れていてそれに合わせて歌うということだから。違うメロディが鳴っているから、それを乗せるのは音楽的にいいんじゃないかって思って。ようやく、アルバム4枚目にして思ったところかな。

カナミル でも、それが入っていると歌詞を間違えた時に死ぬよね(笑)

オガワ そうだねえ。入るタイミング間違えたりとかね(笑)

カナミル そうそう。だからその緊張感はあるかもしれない。自分の好きなように歌ってしまったらダメだから。音源通りに歌わないと合わないから。

オガワ しかも、いわゆる「かぶせ」ほどボーカルの音量はデカくないじゃん。たぶん。かぶせって、それだけ流しておけば口パクでも歌っているように見えるもののことだと僕は認識しているんです。ちょっとこれはボーカルの音が小さいんだよ。歌った時に、ライブの声が前に出るくらいのバランスでやってるから。だからサボることもできないっていう。分かる?

八月 分かる。わかるわかる。分かります(笑)

オガワ では次の曲。「hope」です。これについては特に言うことはないです。

(なんで「hope」なんですか?)

オガワ 希望に満ちた曲だから? まんまです。hopeってそういう意味だから。

カナミル hopeは「希望」という意味ですか?

オガワ 希望という意味だよ。タバコじゃないっす。

カナミル ちっちゃいやつ?笑

オガワ 短いやつ(笑) この曲はですね、ちゃんとしたヘッドフォンで爆音で聴くとめちゃくちゃいろんな音が入っているのが分かって気持ち悪いと思います。これは、二人の声を使って作っています。楽器は何も使っていないです。俺が近所を散歩して録ってきた音をぐちゃぐちゃにミックスして、それを音階としてシンセサイザーに入れて、シンセサイザーからランダムに打ち出して、それをさらに並べて・・・といった感じで作った曲ですね。料理するみたいに方向性を持たせたという。大きい音で聴くとけっこう気持ちいいと思います。

カナミル リキッドで聴いてるときに「おお!」って思った。すごく良かった。

オガワ スーパーローがけっこう入っているんで、車の中とかで聴いても分からないんですよ。一番ローの部分ってクラブとかで聴かないと出ない帯域がいっぱい入ってて。

八月 あんまり詳しいことは分からないけど、「工場」みたいな曲だなと思いました。工場の中みたい(笑)

カナミル たしかに、ちょっとそういう感じはするかも。

オガワ じゃあ、続いて「iron」です。八月ちゃんのお父さんは「アイロン」って読んだんだよね?

八月 やめて!笑

カナミル 私もアイロンだと思ってたよ(笑) レコーディングの時にも「アイロン」って読んじゃって。みんな「アイアン」って言ってるけど、何の曲だろうって思ってた(笑) ちょっとしてから気付いた。

(※再生開始)

オガワ はい、「iron」でしたー。これが一番好きっすよ。

カナミル あー、そう。

八月 ちょっとここで速報を。ただいまパンクIPAが無くなりました。

(ええええええええ!!)

八月 いまから、生ビールも抽選券の対象になります。

((((ええええええええええ!!!???))))

オガワ 「iron」に話を戻すけど、俺はこれが一番好きなんですよ。

八月 新曲はいっぺんにやりすぎて、ちょっとまだ「いいですねえ」くらいしか言えない。

カナミル あたしも、どれがしっくりきてるのか分からないところがある。

オガワ 「iron」は今までやってなかった感じかなと自分では思ってる。作り方的に。

カナミル 「iron」のレコーディングした時の紙を見返したんですけど、「avexっぽく」「globeっぽく」とか書いてある(笑) オガワさんがそういうのを執拗に求めてたんですよ。

オガワ 最後の部分の歌い方って、90年代のhitomiさんみたいな、ああいうイメージがあったんだよね。声の処理の仕方も今までとは全然違うし。

八月 最後が分かりやすいですよね。「君を乗せて廻るその世界では」ってやつ、よくできました!って思いました(笑) オガワさんやらなそうじゃない? 変わったやつをやっちゃいそうなのに。こういうのもできるんだなーって思った。

オガワ そうですよー、できるできる。

(すげえ上からくるなあ笑)

八月 作れないけど、言うことはできますんで(笑)

オガワ これはけっこう新しい感じかなという気がする。声も基本的にダブルで歌ってるじゃん。おやホロって基本的にダブルやってなかったんだけど。声が二つ重なってるやつね。

カナミル ちょっと、違う世界で歌ってるみたいになるよね。

オガワ ライブでも、オケにダブル入ってるからね。その手法はエフェクターでもできるんですけど、今回はオケに仕込んじゃえということで、やってみました。続いて「nightbird」いきますか。

八月 これは、もともとオガワさんのソロの曲ですよね。

オガワ そうですね。だいぶ変わりました。

(※再生開始)

オガワ 聴いていただくと分かると思うんですけど、これは低音が馬鹿みたいに鳴ったりはしていないんですよ。今までのおやホロの打ち込みの曲はガーンって音圧を出すような曲が多かったんですけど、今回のアルバムは1個引いてるんですよね。音的に耳疲れがしないように、CDはCDで、オケとは全然音が違うんですよ。オケはバッキバキにして踊れるようにしてるんです。でも、こっちに関しては、この音でライブをしたらみんな物足りないだろうなってくらいの音圧になっています。キックもそんなにドン!ってこない。コロンビアの音楽でクンビアってジャンルがあって、そのイメージでやっています。これは元々あった曲だから、アレンジの方で色々やってみたくて。二人はライブで歌いづらかったりはしてないですか?

八月 まだ、そんなにライブしてないからなあ。そんなに歌いづらくはないかなあ。けど、こういうリズムは初めてだから、まだ馴染んではいないですね。

オガワ 盛り上がり方に困るみたいな感じはあるよね。どういうテンションでやっていったらいいのかみたいな。

カナミル うん、そうだね。

八月 感覚的には「真昼のダンス」に近い位置にある気がする。

オガワ そうだねえ。

カナミル すごいチル感がある。

オガワ 俺がヒップホップに影響を受けている作家だからかな。「真昼のダンス」はもうヒップホップの作り方で作ってるんだよ。でも、これはけっこう細かく打ってる。でもチルっぽい音楽っていう意味では近いかも。これはすごい俺っぽいと思います。こういう曲、夜に聴きたくなるじゃん。じゃあ、次にいきましょう。「世界の終わり」。

(※再生開始)

オガワ この曲は、もう僕は客観的に聴けないんですよ。けっこう昔に作った曲なんで。アレンジも実はけっこう似てて。さっきも出てきてくれたピロさんと一緒にやってたバンドの時の曲でもあるので。

八月 どういう思い出が詰まった曲なんですか?

カナミル それこそ、ピロさんに聴いてみたら?

オガワ さっきより顔赤くない?

ピロ 大丈夫です(笑) 僕はこの曲、すごい好きです。Channnaというバンドをやっていたんですけれども。オガワさんって「4つ打ち」が基本的にすごく嫌いなんです。オガワさんの持論で「4つ打ちはマヨネーズである」っていう話をされたことがあるんです。

オガワ あー、したねえ(笑)

ピロ 「ある程度の味にはなるけど、全部マヨネーズの味になっちゃう」っていうのを、この曲をやってた頃に言われたのを思い出します。

オガワ それは言った記憶がある。これは4つ打ちではないけど。

ピロ そうですね。でも当時は4つ打ちだったんですよ。だから、「こう変えてきたか!」って思いました。

オガワ これねえ、めちゃめちゃベースを頑張ったんですよ。僕がベース弾いているんですけど。自分が成長したと思った瞬間は、この曲のベースを弾いた時。こんなベースは前まで弾けなかったから。

ピロ オガワさんは、アルバム作るたびに「俺、ベース上手くなってない?」って言うんですよ(笑)

八月 言ってるかも。

カナミル 言ってるねえ。

オガワ その時にしかベース弾かないから。その時に飛躍的に上手くなるんですよ(笑)

八月 オガワさんの言う「マヨネーズ」というのは良くないことなの?

オガワ 全部一緒でつまんないなって思ってたの。

カナミル でもめっちゃ旨いよ。マヨネーズは。

オガワ まあ、良いマヨネーズというのはあるじゃないですか。

カナミル あたしは4つ打ちすごい好きだよ。

オガワ まあ、最近はアリっちゃアリかなという気はするんだけど。俺も4つ打ちは好きっすよ。好きなんですけどー、4つ打ちをやろうという思考に至るまでの過程が大事なんだよ。とりあえず4つ打ちにしとけばいいだろうっていうのはダメで、これは4つ打ちしかありえないっていうものしか4つ打ちにしちゃだめなんですよ。「よく考えて、その4つ打ちは本当に4つ打ちなの?」って(笑) それを俺は、すべての4つ打ちのロックに問いかけたいんですよ。

(いいねえ!)

オガワ 最初から4つ打ちありきで作ってたら、本当にそれは4つ打ちなのか?って思うんですよ。

八月 オガワさんはかつて、4つ打ちマヨネーズ戦争で殴り合いのけんかをしてたんですか?

(なんだよそれ笑)

オガワ 4つ打ちはおさまりがいいから、「まあいっか」って感じでした。4つ打ちでいろんなグルーブを出すのって難しいんですよね。全部一緒になるから。僕の大好きなJERRY LEE PHANTOMっていうバンドがいるんですけど、彼らのアルバムに全部4つ打ちのアルバムがあるんです。しかも、全部コード進行が一緒なんです。それでどれだけ曲を作れるかということにチャレンジしていたバンドなんです。そういうのはすごい気持ちがいい。この人たちは「縛り」を設定してやっているんだな、っていうのは分かるんです。そういう意味では、今回は4つ打ちの曲はあんまりないんじゃない?

八月 今までのおやホロ曲だと、4つ打ちの曲はどれ?

オガワ あったっけ?

(「freak」のCメロは?)

オガワ まあ、それは部分的だからね。全部4つ打ちでやってる曲ってなんかあったっけなあ? 「tab song」かな。

八月 じゃあ、「tab song」はマヨネーズっていうこと?

オガワ まあでも、あれはねえ。4つ打ちのハウスミュージックではないから。その辺のジャンル分けは難しいところですよ。

カナミル ジャンルによっては4つ打ちの方が味が出るのはあるけどね。「freak」は部分的な4つ打ちなんだね。そういうのってキューンってくるよね。それはすごく良いなあって思った。

オガワ あと、「last dance」もそうだ。あ、「ニューロマンサー」だ! あれくらいじゃないかな。4つ打ちがちゃんと成立したのって。ちなみに「ニューロマンサー」って、板垣ピロが叩くのと、アヒトさんだと、叩き方が全く違うんですよね。アヒトさんは全部エイトで叩くんですよ。ちなみに、ギターやベースを弾く時の弾き方で、僕は男らしい弾き方が好きなのでなるべくダウンピッキングで弾いてるんですけど、サナダさんはダウンがだるいからあんまりやらないんですよ(笑) なんでやらないの?って聞いたら「次の曲に支障があるといけないから」って言われました(笑) 

ピロ いや、誰が一番やらないかって言ったらオガワさんが一番やらないですよ。

オガワ いや、俺はやってる!

ピロ オガワさんがやってると、俺ら二人は「今日ちゃんと弾いてるな」って思いますもん(笑) オガワさんはマジで自由すぎてちゃんと弾かないんです。良い意味でも悪い意味でも。

八月 こないだオガワさんが「俺、ちゃんと弾いたわ~」って言ってたライブがあったんです。その時めちゃくちゃ歌いやすかったの! だから、ちゃんと弾いてくれって思います(笑)

オガワ 空港の「歩く歩道」ってあるじゃないですか。

ピロ あの、「動く歩道」ね。

オガワ バンドって「歩く歩道」だと思ってて。特にギターはね。ジャカジャカジャカジャカって弾いてても、ジャーンってカッコつけてても、曲は進んでいくんですよ。だから、疲れたらジャーン!でいいやって思ってたんですよ。

八月 そのジャーン!は「動く歩道」なの?

オガワ ジャーン!ってやっても、ベースもドラムもそれぞれ歌っているからそれっぽく見えるんですよ。そこでサボっていた部分があるから、ちゃんとやろうって思いました(笑)

ピロ ドラムはジャーン!ってやって止めたら怒られるからね(笑)

オガワ ギターはジャーン!が許される楽器なんです。

ピロ ドラムは全部ドラムのせいにされちゃうから、絶対にそんなことはできないです(笑)

(オガワさんはなんでそれをやめたんですか?)

オガワ ちゃんとやろうと思ったからです(笑)

ピロ こないだの高円寺はちゃんとやってましたよね。

八月 カナダ行きがかかっていたし。

カナミル わたし、オガワさん側の立ち位置なんだけども、オガワさんが好き勝手やっちゃえモードになってるときは本当にギターがうるさいんです。本当にうるさすぎて、自分の声を上げるしかない。でも、この前の高円寺の時は、オガワさんがしっかりと音を作ってきたおかげで、久々にライブで快適に歌えたなと思いました。

オガワ ワンマンの前でもあったから、ちゃんとしようと思って音を作ってきたからね。

カナミル 本当に、真後ろのスピーカーからの音がうるさくて、いつも左耳が痛くなってた。この前の高円寺はすごく良かった。

オガワ 成長したな、俺も(笑)

カナミル ちょっと物足りないなと思っちゃったところもあるんだけど(笑)

オガワ じゃあ、次いきましょう。

八月 「天使」ね。

(※再生開始)

オガワ 「天使」を聴いていただきました。

カナミル 長い曲ですよね。これは。

オガワ 6分くらいある。この曲も実は昔作った曲なんです。サビの部分だけ。その他の部分は作り直しています。この曲を作った経緯は、二人には話したけど、良い話があるんです。これは、忌野清志郎さんが亡くなった時に作った曲なんです。

(へえ~!)

オガワ サビの歌詞が、まさにそういう歌詞になっています。僕が当時住んでいたアパートがあって、2年くらい住んでいたんですけど、俺はけっこうデカい音を出していて迷惑かけているだろうなと思っていたんです。隣の人の生活音は全然聞こえなくて、隣の人はほぼ生活していないのかなと思っていたんです。そして、清志郎さんが亡くなった夜に「ああ、清志郎が死んでしまったな」と思ってしみじみしていたら、隣の部屋から爆音でRCサクセションの「雨あがりの夜空に」が聴こえてきて、「めちゃくちゃ良い! 今日は許してやろう」って思ったんです(笑) 2年住んで初めて聞こえてきた隣の人の音が、それだったんです。おそらく、爆音でライブビデオかなんかを観ていたっぽくて。そんなことがあって作ったのがこの「天使」ですね。この曲はどうですか? 長い?

カナミル フレーズが塊であるから、複雑だと思うこともないけど。曲の感じが途中で一気に変わるし。飽きないよね?

八月 けっこうあっという間に感じます。

オガワ この曲も、リキッドように全然違う音を作っていて、CDとは全然違う音で出してみました。けっこう迫力があったよね?

カナミル うん。良かった。

オガワ おやホロは、だいたいアルバムの最後に自信のある曲を入れてるんです。「ニューロマンサー」もそうだし。「誰かの庭」とか。あと、俺の一番好きな「empty page」。これで10曲全て流しました。

八月 え、10曲目だから「テン・シ」なんですか?

オガワ 全然ちげえよ!笑 それだったらすごいね(笑) 「天」と「テン」。

カナミル まあ、「天使」を数字にすると14だけどね。あ、104か。わけわかんなくなってきた(笑)

八月 104曲やろう!

オガワ いま、おやホロ何曲あるんだろうね?

カナミル 知ってる人いる?

オガワ 40くらいかなあ?

(カウントの仕方が難しいよ)

(「plan」の数え方とか)

オガワ ああ、それを2曲ととらえるか難しいよね。

カナミル いや、それはまあ1曲でいいんじゃない?

(え~!)

八月 けっこう別物として考えちゃうけどねえ。

カナミル 私の中では一緒だけどね。

(ちゃんと両方歌えんの?)

(うたえよ!)

カナミル ・・・。

(笑)

カナミル 曲の構成はけっこうあんな感じで固まってたから。なんか、イメージチェンジしても印象はあんま変わんなかったかもしれない。

(誰も曲数を調べてないのがすごい笑)

カナミル 今回が10曲でしょー。前回も10曲?

オガワ えーっと、7曲かなあ。

カナミル アルバムごとに違ってるもんね。

オガワ 『15』『17』もあるからね。

八月 50曲くらいはあるのかなあ。

オガワ 「エメラルド」の扱いとかも、どうなるのかっていうのがあるしねえ。

八月 ちょっとwikipediaを見てみよう。

(曲数は書いてないよ!笑)

オガワ 50いってないくらいかな。はい。10曲全部聞いてもらいました。リキッドも経て、さあ、これからの話をしようじゃないか!

(おお~~~~!!)

オガワ ワンマンの時にも話したんですけど、JASRACを今回通して、フジパシフィックさんとも協力して現場を作っているので、ご紹介しようと思います。うちのディレクターの大塚君です!

(拍手)

オガワ 最近現場でよく見ると思うんですけど。

大塚 はじめまして。フジパシフィックの大塚と申します。いつも、オタクの皆さんにはすごく感謝していて、ダイエット企画もおやホロアウトレイジもすごく楽しく拝見しています(笑) 今後、頑張っておやホロを売っていくんで、よろしくお願いします。

(拍手)

オガワ よろしくお願いしまーす。まあね、今後ですよ。何をしようかなと。色々あるけど、まだ言えねえな~っていうのが多いです(笑) 大人の事情が色々あるんですよ。昨日はおやすみだったんですけど、僕は今日から曲を作っていたりします。いっぱい作ってます。

八月 がんばれオガワさん!

オガワ ・・・。

(ええ~)

八月 そうだよね?

オガワ 頑張ろう。

八月 頑張ろう! 頑張って売れないといけないんで。

オガワ あと、出していない情報で言うと、少し遅れたけどワンマンにもブリュードッグさんに来ていただいていたんですけど、そことも面白いことを企画しています。それも、もう少ししたら発表できるかなと思います。あと、先日のライブの九州ver.もあるし、これから北海道や大阪でもライブがありますし。あとは、「世界の終わり」のMVでほのめかしている写真集も編集中です。それがどういう広がりを見せるのか。

八月 ね、どんな風になるんだろう! まだ秘密?

オガワ まだ秘密です。

八月 秘密が・・・多すぎない?笑 何かないんですか? 言えることは?

オガワ なんかあったっけなあ。なんかある?

カナミル ないかなあ・・・。

(全部金返してほしい笑 こんなに飲んだのに笑)

カナミル 私はちょっと二日酔いだなあ。うちは、親が昨日東京に来てたんです。

(挨拶させて!)

カナミル やだよ(笑) 昨日親と野球を見に行って、東京ドームでビールを無限に飲んじゃったら、死んじゃったんだよね(笑) 東京ドームで死んじゃって。

オガワ 東京ドームでビールを飲むとさ、体調悪くならない? 気圧の関係なのかな?

八月 どういうこと?

オガワ 気圧が普通のところと違うから、変な酔い方するんだよ。

八月 え、なんで気圧が違うの?

カナミル ドームは、外に出るときにすごい風が出るんだけど、あのドームの中は外と全く空気が違うの。

(ドームでライブやろう!!)

八月 あ、本当にドームはやりたいの!

(拍手)

カナミル 昨日は筒香のホームランが3本も見られて、すごくラッキーでテンションが上がっちゃった。

オガワ 私もホームランが打ちたいと思った?

カナミル あぁ・・・(笑) 野球が観られて本当に昨日は良かったです。

オガワ 良い休日じゃん。

カナミル 楽しかった-。

八月 あ、あの、遅れて話題に乗るようだけどさ。ボールを投げるからさ、あんまり抵抗がないようになってるってこと?

オガワ 違う違う。

(ええええええ!笑)

(何の話してるの?)

八月 あ、ごめんなさい(笑)

(飛行機と一緒)

八月 あ、そういうことね~。なるほど。

(絶対理解してないでしょ笑)

八月 外とちょっと違うという感じね。

オガワ あとは何かあったっけ? 後日談。

八月 アヒトさんはお酒が強いという話!

オガワ 無限マッコリでした。

八月 わたし、マッコリをほとんど初めて飲んだの。最初は「これカルピスみたいですね♪」って飲んでて。みんなでボトルを3~4本空けたよね?

オガワ いや、もうちょっとあったかなあ。どんどん頼んでたから。

八月 最初の一杯をビールにして、そのあとマッコリにチェンジして、無限マッコリだった。頭が痛いの。

カナミル アヒトさんってその場にある一番濃い酒をずっと飲むよね。中華料理屋に行ったら絶対に紹興酒をずっと飲むじゃん。

オガワ 魚系だったら日本酒をずっと飲むし。なんでも飲むよね。ワインを飲んでいるところはそんなに見たことないかな。

カナミル 一筋に、すごい吸収力でお酒を飲みますよね。

オガワ どっちの、きゅうしゅう力?

八月 あ!笑

カナミル 掛けた(笑) 九州の人はお酒強いよね。

オガワ 今回、博多に遊びに行ってみて思ったけど、あんなに飯が美味しかったら、そりゃ酒飲みたくなるなっていうのはある。特に魚が美味しいんだよね。みなさん、7月よろしくお願いします。そういえば、7月の遠征、山笠祭りと重なってるんですよね。宿泊代がすごく高いんですよね(笑)

(ほんとだよ!)

(なんでだよー、おい!)

(ホテルくそ高ぇぞ!!)

(ていうか、もう無いんだよ!)

八月 みんな野宿?

オガワ 先日、イベンターさんと話してたら「知らなかったよガハハ」って言ってました(笑) 札幌の雪まつりくらい人が集まる本当にデカいお祭りらしいですね。九州に人が一番集まるときにツアーを組んでしまったらしいです。

(ビラ撒きするしかなんじゃない?)

八月 たしかにー。いっぱい来るかもしれないもんね? こっちでも花笠まつりやってますよ!って。

オガワ 山笠祭りね(笑)

八月 あ、ごめん(笑)

オガワ では、そろそろ質疑応答の時間を取りましょうか。

八月 質問コーナー!!

(はい。アルバムの曲を聴いて思ったんですけど、二人の声の出やすい音域が多いなと思いました。一番良いところが出てるアルバムなのかなと。)

カナミル それに関してはすごく言いたいことがあるんですけど、プリプロをちゃんとやったっていうのが本当にデカいです。オガワさんの作る曲って、音域としては歌いやすくはあるかなと思っていて。それは1stの時からずっと。ただ、ここまで出せるか出せないかというのはレコーディング本番になるまで分からないところもあるから。今回は、それを練習して、どこまで実声で出すかというのを考える時間がありました。だからかなり歌いやすい感じで歌っているように聴こえるのかなと思います。

オガワ ただ、その時間が長すぎてカナミルが鬱になるっていう事件があったよね(笑)

カナミル はい(笑) 本当につらかった(笑)

オガワ プリプロ6時間、レコーディング6時間って感じでしたね。時間的には二人合わせてそんなもんだったよね。

八月 うん、けっこう長くやってたよね。

カナミル おんなじ部屋にずっといると気持ち悪くなってきちゃうんですよね。

オガワ やっぱレコーディングブースって、ちょっと暑いし。

カナミル あ! ちょっと食べたいものを見つけちゃった。食べてもいいですか? カマンベールスティック春巻き。

八月 ああ、美味しいやつね~。

(なんで分かるの?)

八月 ・・・。

カナミル 絶対美味しいよね?

八月 絶対美味しい。

オガワ これは、系列のお店にだいたい置いてあるよね。

カナミル 本当に最高においしそう。あ、ごめん。話逸らしちゃって(笑)

オガワ ハチコはどうだった?

八月 やっぱり、ちゃんと練習して臨めた。いま思うと「もう少しここはこうできた」という部分はもちろんあるんですけど、それが今までよりも少ない。

オガワ そうだよね。だって、今までのアルバムの中で、聴いていて一番苦痛にならないもん。

八月 そうそうそう。「あ~、この時こういう歌い方しちゃった~」っていう後悔が無い。その時の全力をちゃんと出せたから、そんなに後悔はなく皆さんに届けられると思ったアルバムですね。

オガワ 今回の制作体制は、ボーカルにしっかり時間を取れたのが大きかったなと思います。他に質問がある方はいますか?

(はーい。フジパシフィックさんとの契約が決まったということで、お聞きしたいことがあります。このあと、大手との契約とかも見え隠れしてくるんですけど、自由度のような部分はどうなっていくのかということを、言える範囲で教えていただけたらと思います。)

オガワ 真面目な質問なので、大塚君に答えてもらいましょうか。

大塚 うちは音楽出版社ということでやっていまして、一般的なイメージだと権利屋さんみたいなイメージがあると思うんです。放送局系の音楽出版社の中では、うちは特に独自の制作に力を入れてやっているんです。僕も制作セクションの一員なんですけど、いま大手のレコード会社さんにはディレクターが昔ほどいないんですよね。要はA&Rが外部ディレクターを発注したり、プロデューサーを発注して作ったりとかしているケースも多くなっているんですけど、うちで制作に携わっているアーティストの原盤はインディーズ・メジャー問わず自社のディレクターが責任と自信を持って制作しています。うちのホームページを見ていただけると分かるんですけど、古くから様々なアーティストと作家の方々と共に名曲とその原盤を作ってきた実績を持っています。かなり音楽的にこだわれる体制の中、こだわってやっています。だからこそ生まれたヒットというのも多くて。実は今の時代って、単発のリリースでメジャーデビューするのは難しくなくなってきています。例えばタイアップが決まり特定のレコード会社さんから1枚の契約でメジャーデビュー、というのは良くあるケースですが、正直、長いスパンでアーティストの活動を考えると損も多いような気がしています。一時的に知名度が上がるかもしれないけれど、その後のリリースがなく、1年後にツアーを回った時に動員が落ちてしまったりとか。そういうケースをいっぱい見てきました。おやホロ自体は、こちらにいる3人で始めたことで、僕は横から入った人間ですが、うちにできることとおやホロの目指していきたいところは合致していて、非常に相性が良いなと思っています。うちが制作費を出して作った原盤なので、原盤印税を本体価格の10数パーセント売れた枚数分、小川さんからうちへ分配する義務はついてきますが、別のインディーズレーベルを立てずにあくまでgoodnight! recordsからリリースということでレーベルとしての利益もしっかりあるわけですし、これまでのおやホロのリリースに比べて、今回からしっかりうちが制作費をかけて原盤を作れたことでわかりやすく今回からクオリティは上がってます。リクープはすぐにできなくても先行投資の考え方で制作費を出しましたが正直、もっと制作費をかけたかったくらいでした。メジャーデビューしなくてもヒットを狙える時代なので。Spotifyでチャート入りをするタイプのアーティストも多く出てきてそれは顕著で。現時点でのおやホロもそうなれそうな傾向もあり、まだアルバムの配信はしていないんですけど、「世界の終わり」「colors」のウケがかなり良いんです。いまリスナーが1万届きそうな勢いです。

オガワ そうですね。公式にもなりました。

大塚 音源ビジネスに関しては新しい活路が見出されている中で、この子たちはメジャーからのお話がなくても幸せになれる方法があるんじゃないかなっていうのは思っています。正直、先日のライブを観て、おやホロの魅力を最大限にアウトプットできる先はライブでしかないと僕は思いました。うちはイベント制作やマネジメントもやっている会社なので、全スタッフが知恵を振り絞れば、動員を増やして大きな会場でライブができるようにすることも不可能ではないですし、まずはそれが先決だと思っています。ただ、2年後に大きな会場でツアーを回ったりすることができた時に、もしもメジャーレーベルから情熱を持って「おやホロを売りたい!」とお話しいただけたら、その時は是非乗っからせていただきたいです。現場担当者の方の情熱と愛で会社に掛け合っていただいて、例えば宣伝費が新人にしては破格な額を捻出していただけたり、そういったミラクルも起きるかもしれませんし。そのときはうちからも宣伝費をかけてやっていこうと思っているので、みんなが幸せになれる方法を考えています。

(おおおおお~!!)

(すげえなあ)

大塚 ご安心ください。ただの権利屋ではございませんので(笑)

(そんなことは思ってません笑)

大塚 いろいろ画策しています(笑)

オガワ はい、そんな感じでした~(笑)

八月 ランボルギーニも夢じゃないかも~。

(それはちょっと・・・)

八月 いや、夢はでっかくが一番だと思うの。

(車は維持費がかかるよ)

オガワ はい。他に質問ある方~。

(「天使」の歌詞についてなんですけど、おやホロの歌詞は抽象的なものが多い中で、これだけ具象画みたいに聴こえました。やっぱり清志郎さんの亡くなった夜のエピソードがあるからなのでしょうか。何か作詞で意識されたことはありますか?)

オガワ 最初にテーマが決まっていました。サビの部分でしっかりと場面を描いています。その場面に関してAメロ、Bメロで動かしていくというような作り方をしたんです。だから、今までの作品とは違って聴こえるのかもしれません。他の曲だと、けっこう心情だったりするんですよね。「nightbird」はめちゃくちゃ心情を歌ってるじゃやないですか。「どこで」っていう情報に関しては分からない。あとは、「iron」「old moon」「stay」はSFっぽいんです。どこの話なのか分からない。地球じゃないかもしれない。でも、たしかに「天使」は電車があって駅がある。どこの駅っていうのは僕の中で何となくあるんです。この駅だなというのがあって。だから具体的になっているのかもしれないです。

八月 なるほど。

オガワ 何か意識したことはないですか?

八月 レコーディング前は、歌詞をもらって、オガワさんの仮歌を聴いて覚えるんですけど、今回の曲はちゃんと聴くと辛かった。

オガワ 辛かった?

八月 心の中の何かをつついてくる感じの曲が多いから、ちゃんと家で泣いてから行かないと泣きそうになって歌っちゃう。だから、家で私泣きました。

オガワ へえ、そう(笑) どれで泣いたんですか?

八月 えっとねえ、最初は「colors」と「freak」でボロ泣きしてたかもしれない。

オガワ 泣くところある?笑

八月 情緒が不安定だったのかなあ?笑

(情緒は不安定じゃない?)

八月 やめてくれ(笑) 「天使」のサビのところとかも、ちゃんと歌うと「ううっ!」ってなりそうになる。ちゃんと自分の中で噛みしめてから歌いました。

オガワ 「slow dancer」とかもそういう感じかな?

八月 「slow dancer」もね~っへっへっへ・・・(泣) そういう曲本当に多いからねえ。大したもんやないけれども、自分なりに噛みしめていった方が向き合えますね。

オガワ カナミルは「raincoat」が好き?

カナミル 音がバキバキしていてよくない? アガるよね。

オガワ 今回、映画に影響を受けた曲が多いかもね。けっこうSF的。「stay」は「インターステラー」を観て感じることが入ってる。

八月 もう、それ聞いたら、そのまんまじゃん!って思う。

オガワ あれって説明するのがけっこう難しい映画なんだけど、それを曲にしてみたらちゃんと説明できたみたいな。そういう作り方をすることって結構多いんですよ。「raincoat」は「ブレードランナー2049」ですからね。SFは好きですよ。愛とか恋とか歌わないんだったら、SFについて歌うしかないんで(笑) 僕は中島らもさんがすごく好きなので、その辺りも影響しているのかなと思います。では、最後の質問いきましょう。

(はい。おやホロのアルバムって、アルバムごとに色があるって結構思っているんです。『4』にはオガワさんが昔作った曲も含まれているのに、『4』世界観がちゃんとできていると思うんです。『4』を読み解くにあたって大事な作品とか、オガワさんの想いとかがあったら教えていただきたいです。)

カナミル めっちゃ真面目だ。良い質問ですねえ、普段はけっこう泥酔している女なのに(笑) こんなに真面目にしゃべれる人間だとは思っていなかった(笑)

オガワ アルバムのテーマに関しては、作るときにまずは自分に「縛り」をかけるところから始めるんですよ。1stだったら、予算をかけられないから、汚い音にしてその中で良いものを作る。『2』だったら打ち込みを入れる。『・・・』の時には、バンドセットを解体したから、振り切ってバンドゼロにしてギターも全く使わないっていう作り方をしたんです。『4』は、ギターを弾くっていうのがテーマ。

(この前ラジオでも言ってましたね)

オガワ そうですね。まあ、ラジオを聞いてくれている人はあんまりいないと思うんですけど(笑)

八月 いるよ~!! いるって!!笑

(全員聞いてます)

(ここにいる全員聞いてる)

オガワ 今回のアルバムで「nightbird」「世界の終わり」「天使」と前の曲を入れたのは、深みを出したかったというのがありますね。新しいものだけで構成すると、小さくまとまっちゃいそうだなと思ったんです。20代の頃に書いた曲を混ぜることによって、良い起伏ができるかなと思っていました。「世界の終わり」なんて、20代の男が書くような歌詞じゃないですか(笑)

八月 オガワさんの中では、昔の曲はあまりやりたくないという気持ちは無いんですか?

オガワ 無い。10年前書いた曲より、今書いた曲の方が良いということはなくて、時代が違うだけというか。ジャンルが違う。「この頃は青の時代だ」とか。

八月 ピカソじゃん・・・(笑)

オガワ そうそう、そういうこと。「世界の終わり」みたいな曲はその時代にいっぱい書いてるの。今でもストックはけっこうあったりするし。「nightbird」みたいな時期もあったし。あとは、「帰り路」みたいな曲ばかり書いていた時期もあった。そういういろんな時代がある中で、ある時代から1曲持ってきて混ぜるっていうのは、自分の中ではすっきりしてる。今回はけっこう感傷的な感じで作ったから、こういうアルバムになったのかなと思っています。

八月 感傷的。何かあったんですか?

オガワ いや、特にないんですけど。まあ、4枚目だし。

八月 なんやかんや4枚も出しましたもんね!

オガワ 一番良いアルバムにしようというところから始まったから、音楽的に攻めるというよりは、曲が良くて二人の声がちゃんと聞こえるアルバムにしようと思った。だから、作り方は1stアルバムとけっこう近いんだよね。曲の並びとか。最初にバンドの曲があって、それから打ち込みがあって、みたいな。1stアルバムをアップデートしたような作り方をしたんです。そういうつもり。

八月 原点回帰的な感じ。

オガワ 前だったら、打ち込み曲とバンド曲のバランスが取れなかったんだよね。それをやったということ。そんな感じで!

八月 みなさん、たくさんの質問ありがとうございました。

カナミル ありがとうございました。

オガワ このあとは抽選会です。ありがとうございました~!!

 

******

 

以上です。

今後は各地でのライブもありますし、おやホロのこれからがますます楽しみですね!

『4』がたくさんの人に届けばいいと思います。

 

写真撮影が許されていた時間に収めた3人です。私服が素敵。 

f:id:lucas_kq:20180522185258j:plain