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女の子の情念のコラージュ 『THE END OF ANTHEM』上映トークショー Riot Grrrly Lab特別編 9月11日@loft9 Shibuya(東佳苗、大森靖子、杉本桃花、レイチェル(chelmico)、橋本ニモ、洪潤梨、mimi、ひらく、なつか、SHO-NO)

 再び、『THE END OF ANTHEM』を観てきました。前回観た時は、カナミルが上映後のトークに登壇していましたが、この日はカナミルの登壇はありませんでした。しかし、そのほかの多くの出演者の皆さんが登壇されるということで、作品に参加したキャストそれぞれの視点から、たくさんの面白い話が聞けそうだと思い、足を運びました。また、以前観た時には追い切れなかった字幕や、劇中に表示される登場人物の履歴書の細部を隅々まで読み切るというのも目標でした。

 19時ごろに会場につくと、席はもうだいぶ埋まっていました。来場者はアンケートを記入することができたので、まずはそちらを記入することに。アンケートには「元カレ/元カノとの最高のエピソードと最悪なエピソード」「失恋した時のアンセム」「浮気や不倫をしたこと/されたことはあるか」「失恋からの立ち直り方」「私たちはどうしたら幸せになれますか?(笑)」などの質問項目がありました。一通り記入を終えてスタッフの方にお渡しした頃に、ちょうど開演となりました。

 まずは映画の本編が上映されました。2度目の鑑賞でようやく聞き取れた会話とか、ナレーションとかがたくさんあり、新鮮な発見とともに観ることができました。それから、一瞬だけ映されるプリクラとか、登場人物の履歴書も今回は落ち着いて見ることができました! 上映後のトークでも登壇者たちから褒められていましたが、洪潤梨さんの演技が良かった。初登場シーンで占い師と話しているときに泣き崩れるタイミングとか、絶妙だったと思います。カナミルの演技も、やっぱり良かった。世の中に見つかってほしい。映画全編を通じて、BGMが抑制されているところも私好みでした。無駄に歌を流しまくるのではなく、生活音と女の子の存在感で勝負している感じ。

 あらためて『THE END OF ANTHEM』を鑑賞してみて、具だくさんのお鍋を食べてるみたいな気持ちで楽しめる映画だと思いました。強烈な味を与えてくる具もあれば、視覚的に印象を与える具もあり、静かにじんわりと出汁を効かせてくれる具もある。そしてシメに「Fantastic Drag feat.大森靖子」。

 

 映画の上映後はトークショーがスタート! キャストの皆さんがひな壇的な形式で着席し、東佳苗監督は彼女たちと相対するポジションで進行役を務めました。そして壇上には無人の椅子がもう1台置かれており、シークレットゲストの登場を予感させます。

 まずは、キャスト一人一人に対して監督が話を振っていきながらトークが進行していきました。トークの間はずっとメモを取っていたので、印象的なお話を箇条書きで記録しておきます。

 

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mimiさん

・ロケ地はmimiさんの自宅。今回の撮影によって、初めて男性を自宅に入れたとのこと。

医学生の彼氏を殺めて、食べてしまう役どころ。ほかのキャストの皆さんは、エグさに少し驚いていた模様。

劇中、恋人に食べさせていた料理は、なんとmimiさんのお手製。食人のために、対象の体の臭みを取るための、穀物を使った料理。監督と一緒にネット等でめちゃくちゃ調べた。

 

杉本桃花さん

・この日の登壇者の中では最年少。でも、一番過激なシーンに取り組んだ。

・カメラマンさんがノリノリで、もっと過激な映像になりそうだったのを、ある程度薄めた結果出来上がったのが桃花さんのシーン。

 

SHO-NOさん

・ほしもえの恋敵役。

・いつもより1オクターブくらい高い声を出して頑張った。

・現場は素でバチバチしていた?笑

・この子が彼氏の浮気相手だったら嫌だな、という理由でキャスティングされた。

 

橋本ニモさん

・劇中の涙は本物。一発撮り。

大森靖子さんの「君に届くな」を聴いていたら、とても泣けたとのこと。

・「私、いま良い感じに涙を流せてる! イケてる~♪」と思いながら本番に臨んでいた。

・ジエンドの現場では基本、大森靖子さんの曲をたくさん流していた(監督談)。

 

レイチェルさん&なつかさん

・レイチェルさんがただのイケメンだった。ちゃんとこっちを振り向いてくれるかなあと思った。(なつか談)

・台本は無し。だいぶお酒を飲んでから撮り始めた。

・劇中で話していることは、かなり「切り売り」!

・最初のテイクでキスシーンを撮るときに、レイチェルはすごく照れた。

・本編で使われなかった部分は結構あって、長時間ずっとイチャイチャしていた。

・映画の中では「希望」寄りのシーン。カナミルも然り。ちなみに、カナミルのエピソードに出てきた赤ちゃんはお友達の赤ちゃん。

  

洪潤梨さん

サイコパスな彼氏と付き合うとどうなるかを、監督がみっちりレクチャーしてから本番に臨んだ。

・劇中で見せていた虚ろな表情は、ほかの登壇者から絶賛の嵐。

・こちらの現場でも、大森靖子さん「君に届くな」が気持ちを作るための音楽として大活躍。

  

ひらくさん

・お酒に飲まれてしまう役だけど、普段はあんなにアッパーにはならない。

・登場人物の履歴書はかなり細かく作りこまれている。

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 続いて、ゲストが登場。なんと、大森靖子さんでした! 大森靖子さんのお話は心に残るところがたくさんありました。話題は非常に多岐にわたっていて、全体の記録を残すのは難しかったので、断片的にですが、どうぞ。東佳苗監督いじりでは会場が笑いに包まれました(笑) 

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大森 佳苗ちゃんの衣装は近距離で見た方がいいよね。やっぱり。

 エグさがね。

大森 そうそうそう。「縫う」ってちょっとおかしいじゃないですか。作業的に。

 いやあ、でも歌作るのもヤバいんじゃないですか(笑)

大森 だって、業の込め方がおかしくなってくるじゃん。一個一個縫ってるんですよ。全部の箇所に触ってるってことじゃないですか。おかしい作業だから、それを着てライブをするのは大変だよ~。

 大変?笑

大森 大変っていうか~、、、

 靖子ちゃんだからできるっていうのはあるんじゃないですか?

大森 まあ、それは、大変でもないけど~(笑) 大変じゃないけど、大変だと思うよ。私じゃなかったら(笑)

 そうかもしれないですねえ。なんか色々聞きたいなと思ってたことがあったんです。このメンバーに。鍵垢のこととか。靖子ちゃんは鍵垢あるの?

大森 あるよー。誰にもフォローされてない。

 マジで? え、一個?

大森 一個ある。教えるよ。

 ありがとう(笑)

大森 え、全然教えますよ。誰にでも(笑)

 

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 私はこう見えてメンヘラじゃないんですけどー

大森 私もだよ。佳苗ちゃんさあ、失恋して撮ったって言ってるけどさ、何もしなかったよね? この前の恋愛(笑) 結局何もしなかったよね!笑

 自分の中で一年くらい・・・

大森 自分のなかででしょ~。何にもしてなかったよね?  (映画の中で)こんな色んな子にセックスさせたりとかしてるけどさ、何にもしなかったんだから~(笑)

 靖子ちゃんのせいだよ~(笑) だって靖子ちゃんのせいじゃん、ほとんど(笑)

大森 ごめーん(笑) ごめんね。

 いや、いいのいいの。

大森 好きになったら完全にただの恋するウサギちゃんモードになってて(笑) 良いところを全く出せないっていう(笑) 何にもしてないんだよ。付き合ってもないし。失恋?

 いや、失恋失恋。

大森 これが童貞映画だよ(笑)

 

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(来場者アンケートの中の「元カレとの最悪エピソードは?」に対する「『誕生日プレゼントにセックスをあげる』と言われた」という回答を受けて。橋本ニモさんのカッコいい発言。)

ニモ 悪いけど、言っていい? 悪いけど、こっち側はさ、誕生日プレゼントの金額で愛情を測ってんだよ!!笑 分かったか? お金って自分の労働の対価じゃん。その労働の対価を自分にどれだけ割いてくれるかっていうのが、すごい大事なの!

 そうそうそう!

ニモ それで、セックスとかよく分かんない音楽とか言ってる奴よく分かんない(笑)

 ニモ先生について行きたいっすわー(笑)

 

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大森 あのさ、昨日もすごい断絶を感じたの。何言っても話が通じない人たちだなっていう断絶を感じたんだけどさ、今日のこの映画の中でさ、幸せになりたい/なれないみたいな、一応同じ女子で同じ年代でさ、恋で悩んでるという同じ条件でもさ、全員が絶対に仲良くならないじゃん。この映画に出てくる人。

 そうそう。

大森 断絶じゃん。「ここまで来ても断絶があるか!」って思って。

 こういう場で言うのもあれなんですけど、わりとATフィールド張ってる系の子が好きだから、特にmimiとか桃花もあまり人と仲良くなろうという気がないじゃないですか。そういう子が好きなんですよ(笑) 「君に届くな」のMVとして形になったときも、ここまで交わらないか、っていう。

大森 そうそう。まさに「君に届くな」!笑

 

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大森 何かあったときに、けっこうこの世の終わりみたいな気持ちになるじゃん。でも、誰も私を見捨ててくれない状況になってるじゃん、もう。何個ミスろうが全幅の信頼を置いてくれる人がいるということの重荷と、だからここに引き戻されて、今日だって絶対に外に出られない日なのに、すっぴんで遅れつつもここに来て結局しゃべっている。いま、ありがとう。生かしてもらってるよ。

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  「いま、ありがとう。生かしてもらってるよ」という靖子さんの言葉がすごく心に響きました。靖子さんの言葉や音楽を必要としている人って、今やすごくたくさんいて、それが「励み」になることもあるだろうけど、「重み」になることも多いだろうし、しんどい時もあるのだと思います。それでも、生かしてくれてありがとうってさらりと言えるのは、最高にクールであると思いました。靖子さんの方こそ、これまで何人の人を生かしてきたことでしょう! 芸能の神様に選ばれてしまった人の、ある意味での孤独を想像すると恐ろしくなるときがありますが、靖子さんは決して孤独ではないですし、末永い活動をしていただきたいです。次の音楽を聴くのが楽しみです! 健康的で素敵なトークには私も励まされました。

  もちろん、ほかの登壇者の皆さんも、楽しいトークを繰り広げていました。特に、ひらくさんは積極的に発言をなさっていました。「可愛いか可愛くないかにかかわらず悩みの重さは等質なのではないか」という話はまさにその通りだと思いました。また、Twitterなどで感想を書かれることでこの映画が完成していくと思った、という趣旨のこともおっしゃっていて、これにも共感。そして、文学的教養を感じさせられました。なんとなくテクスト論的。ひらくさんはけっこうお酒を召し上がっていましたが、お酒の力も借りつつ(?)トークを素晴らしく盛り上げていらしたと思います。次の日に、反省します的なツイートをなさっていましたが、気にしなくていいと思います! レイチェルさんは、ツッコミや相槌のタイミングが素晴らしく、話が脱線しかけた時にはきちんと元に戻そうと立ち回っていて、素敵でした。やはりイケメン・・・。

 他にも映画の裏話がたくさん飛び出したのですが、映画の最初の方で次々と映し出されるプリクラは、監督が「元カレとのプリクラをください」と言って各所から集めたものだそうで、驚きました。これぞ「切り売り」!! また、今作への出演が決まる前に、まさにジエンドを迎えていた出演者もいたということで、それもまたビックリTHE END OF ANTHEM』は色々な意味で、女の子の情念がコラージュされた映画なのだと感じました。今後も多くの人がこの映画を観ることで、そういった想いがきれいに供養されたり、誰かの呪いが解けることを祈念しています。

 そんな感じで、非常に充実した上映会となりました。この日のloft9には、共闘しながらこの世界をサバイヴしていこうとする者たちによる決起集会的な熱がありました。どうしたら幸せになれるかという問いに対する答えは私たちには分からないけれども、少なくとも、みんなエネルギーをもらって帰路につくことができたと思います!

 

 

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 最後に、『THE END OF ANTHEM』を観ながら、私の頭をよぎった映画たちを。初見の時は「ラブ&ポップ」がすぐに浮かんだんですけど、この日は違う映画が連想されました。併せて観たら素敵な気持ちになれるかもしれません。

 

『カケラ』は女の子のぐつぐつした気持ちを上手にすくい取った良作です。 

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 こちらも、女の子の絆を描いた映画。noodlesの音楽が良いです。MVみたいな映画。映画みたいなMV。

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9月7日の上映会にも行き、レポートを書きました。

lucas-kq.hatenablog.com

 

 

女の子×街×失恋×毒 東佳苗『THE END OF ANTHEM』 9月7日@渋谷UPLINK(東佳苗、カナミル(おやすみホログラム)、桑原麗子、新倉のあ(禁断の多数決))

 おやすみホログラムのカナミルが出演しているということで、東佳苗監督の『THE END OF ANTHEM』を観てきました。この作品にはカナミルの他にも、保紫萌香さん、レイチェルさん(chelmico)、杉本桃花さん、洪潤梨さん、ひらくさん、桑原麗子さん、橋本ニモさん、mimiさん、新倉のあさん(禁断の多数決)らが出演しています。様々な失恋の形を描いた短編映画です。

 この作品でカナミルが演じたのは、未婚の母でした。全体的に暗いムードが漂うストーリーの中で、新しい命を引き受けるカナミルの役には、ほんのりとした温かみと明るさがありました。上映後のトークでのカナミルのあいさつが「シングルマザー役をやらせていただきました、カナミルです。よろしくおねがいしまーす」だったのには、少し笑ってしまいました。正確なあいさつではあるんですけど、じんわりとした可笑しみ(笑)

 この日は2本立ての上映でした。『THE END OF ANTHEM』はMOOSIC LAB2017招待作品なのですが、最初に昨年のMOOSIC LABでグランプリを受賞した『マグネチック』という作品が上映されました。この映画は少し変わった映画でしたが、SACOYANさんによる劇中歌がとにかくよかったです。劇場を飛び出して音源を手に入れに行きたくなる感じ。映画は劇パートとドキュメンタリーパートが交互に展開されていく構成になっているのですが、劇パートは、あえて演技を上手にやらせないようにして撮ったのでしょうか。色々な点において、「真剣」なのか「あえてそうしている」のかが観る者にとって分からなくなる作りになっていました。狙いはどうあれ、画面上に展開されるのは「酷い演技」(特に男性キャスト)なので、時々しんどくなることもありましたが最後まで観切ることができました。登場人物たちに生活感が全くない部分とか、セリフの不自然さとか、公園の場面での陳腐な演出も、(おそらく)寓話性を際立たせるために「あえて」そうしているのだろうと思います。自分では進んで観ないジャンルの映画を観ることができて貴重な体験でした!

 『マグネチック』が終了したのち、すぐに『THE END OF ANTHEM』が始まりました。ボソボソとしゃべる女の子のナレーションと、街の風景。庵野秀明監督の『ラブ&ポップ』を本歌取りしているかのような雰囲気で、めちゃめちゃ良い! 始まりから一気に引き込まれました。女の子の失恋を描いた映画なのですが、東京の風景もすごく印象的でした。映画全体で見ると屋内の場面が圧倒的に多いんですけど、東佳苗さんが撮った街と女の子の取り合わせをもっと観たくなりました。街はこの映画の影の主役かもしれません。ネタバレは避けますが、ただ切なかったりするだけでなくて、毒もたっぷり盛られた作品となっていました。それから、エンディングのHave a nice day!の曲も良かった! アフタートークで監督ご自身もおっしゃっていましたが、1回観ただけでは追いきれないくらい情報量がすごく多いので、もう1度観たくなりました。来週のloft9に行くしかない!

 ちなみに、カナミルが産婦人科に行く場面で来ている服は自前だそうです。「ギャル服を」という監督の要請により用意したとのこと。


Have a Nice Day!(ハバナイ)「Fantastic Drag feat.大森靖子」

 

 最後に、この日のトークの記録を。『マグネチック』の北原和明監督も登壇されていたのですが、東佳苗監督、カナミル(おやすみホログラム)、桑原麗子さん、新倉のあさん(禁断の多数決)の発言を中心に、『THE END OF ANTHEM』についての話だけを拾って構成しました。 

 

 

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司会 東さんの作品に触れたいんですが、東さんは先ほどもご紹介があった通り、普段は映画監督というわけではないんですよね。今回は映画としては2作目くらいですか?

東 そうですね。一応、縷縷夢兎のショートムービーはいっぱい撮ってますけど、映画監督としてやっているのは2作目ですね。

司会 そうですよね。映画館でかけるということでは。いかがでしたか? けっこう大変そうでしたよね。いろんなシーンがあって、群像劇だし。

東 そうですねー。大変だし、もうほんと「実話ナックルズ」なんで(笑) 映画の中で鍵垢が出てきたと思うんですけど、あれは本当の鍵垢なんで、私の。全体的にかなり「切り売り」してる作品です。

司会 この作品を作るきっかけは何かあったんですか? 曲が先にあったとか。エンディングでハバナイと大森さんの曲がありましたけれども。

東 簡単に言うと失恋をしたので、「THE END」させるために作らないといけないなと思って撮りました。最初は「THE END」っていうタイトルだったんですけど、「THE END」だと「THE END」過ぎるんで(笑)、もうちょっとポジティブに聞こえるようにしようと思って「THE END OF ANTHEM」にしました。そうすると、やっぱりハバナイの曲が自分の中でめっちゃしっくりきて。「Fantastic Drag」が。あ、麗子ちゃんはハバナイのMVにも出てるよね。なんていう曲だったっけ?

桑原 「LOVE SUPREME」です。3分くらいずっとチューしてるだけの映像です。

東 最高なんですよ。

桑原 (撮影中に)めっちゃ人に見られました。しかも、誰とチューをするのか決まってない状態で頼まれたんです。ハバナイ好きだから、絶対にやりますって感じでOKしました。でも、「知り合いとかはやめて」って言ったんだけど、チューの相手は普通に近所の友達で。その時付き合ってたっぽい人にキレられたりとかして(笑) 歌舞伎町の道路の真ん中にある分離帯でずっとチューしてて、MVには使われてないんですけど、たぶん10分くらいチューしてました。ガン見されました(笑)

東 っていうのが麗子ちゃんです(笑) 麗子ちゃんはミスiDで一目ぼれしてずっと追ってたんですけど、ただの美人かと思いきや、だいぶヤバい子なんです。ヤバさはSNSからも伝わっているかもしれないですけど、私は可愛いけど取扱注意みたいな子が好きなんですよね。本人を目の前にして言うのもあれですけど(笑) あのハバナイのMVを観て、「これは!」と思って絶対に麗子ちゃんには出て欲しいと思いました。本当はもっと暴力的なことをさせてもよかったんですけど、あの金魚は今でも飼ってます(笑)

司会 ご出演されてみて、現場でのエピソードですとか、映画を見てのご感想ですとか、ありますか?

桑原 写真を燃やすシーンを撮る前に「写真はそんなに燃えないから大丈夫」と聞いていて、テストなしで1発で本番を撮ったんですけど、調子に乗っていっぱい火をつけていたらバンバン燃えちゃったんです。警報機はふさいでいたんですけど、家中がすごいモクモクになってしまって、怖くなったので水を流しまくったりしました(笑)

東 火事フラグが立っていたんですけど、麗子ちゃんは冷静に燃やし続けてくれたので助かりました(笑) のあちゃんにも話を聞きたいんですけど、どうでしたか? 演技とかってやったことあるんだっけ?

新倉 いや、ないです。引きこもりの役だったんですけど、素が引きこもりっぽいので普通にしていても結構それっぽくできたのではないかなと思います。

東 いま、ミスiDはセミファイナルまでいってますけど、私はミスiDびいきが分かりやすい人間で、のあちゃんに一目ぼれして今回依頼しました。禁断の多数決でも「ブラジル」という名前で活動していて、曲を作ったりとかもできるよね。

新倉 はい

東 楽器もできる。

新倉 はい。

東 こう見えて意外と多才っていう。しかも頭もめっちゃ良いし。ね?

新倉 ……はい(笑)

東 何か主張しないの?

新倉 な、無いです(笑)

東 こう見えて、わりと承認欲求強めだと思うんで(笑) 撮影会とか、めっちゃ可愛い格好してやってるじゃん。

新倉 やらされてるんですよ。

東 誰に?

新倉 運営の人たちに。

東 あ、運営の人たちに? 引きこもりなのに(笑) めっちゃリア充みたいなテンションで撮影会してます。あのエピソードは、あんまり言うとアレなんですけど、けっこう切り売りしてもらいましたね(笑) 今回、けっこうキャストにも切り売りしてもらってるんですよ。まあ、誰とは言わなんですけど。あたしのエピソードとキャストのエピソードを諸々含めつつという感じで。カナミルはどうでしたか? やってみて。あれ、カナミルって演技をやったことはあるんだっけ?

カナミル 無いです……あ、なんか軽いビデオみたいなのに。「おやすみホログラム」っていう二人組でちょっとやってるんですけど……

東 ちょっとじゃないでしょ(笑)

カナミル 基本的におやホロとして、相方の八月ちゃんと二人でそういうの(=演技)をやらされたりしたことはあります。あまりにも大根役者すぎてそういう仕事もあまり来なくなっていたところだったので、ちょっと心配だったんですけど、何とかなってよかったです(笑)

東 何とかなりましたね。

カナミル 形になって。

東 ギャル役としてね(笑) ガチのギャルではない?

カナミル そうですね。フツーの人間(笑) スクールカーストではけっこう低い方でした。

東 え! そうなの?

カナミル そうですね。あんまり目立ってる方とかではなかったですね。ちょうど真ん中くらい。ギャルの子とも仲良くすれば得することもあるし、普段遊ぶ子は自分と趣味の合う感じで。ちょうどいい真ん中を上手いことやってる生徒でしたね。

東 そう見えないですね(笑) 完全にギャル設定っていうか、未婚のシングルマザー役をしてもらいましたけど、ある意味で一番の「希望」役でした。ジエンドは全体的には失恋の話なんです。失恋してからの話なので、「彼氏の写真を燃やす」とか「彼氏にフラれてツイキャスする」とか「彼氏にフラれたけど子どもを産む」とか、全体的に失恋の話なんですけど……なんか……何を言ったらいいですかね(笑)

司会 どうでしょう(笑) 東さんはこの後も監督としてやってみようという思いはあるんですか?

東 そうですね。映画監督らしい映画はできないので、あたしができることであればやっていきたいと思っています。棲み分けがあるじゃないですか、世の中には(笑) 私は、実験的な映画とか分かりにくい映画とか、大衆受けしない映画とかカルト映画とかがわりと好きだったりするんです。でも、だからと言ってカルト映画がアングラであるということじゃないんですけど……。今回は……お客さんが静かだからしゃべりづらいですね(笑) 今後もいろんな場所で上映していく予定があるんですけど、何かしら微妙に見え方が変わっていったりすると思います。あとは、文字とか履歴書が所々出てくるんですけど、たぶん1回観たぐらいじゃ情報を全部つかめないと思うので、もう1回観に行きたいと思っていただけたら嬉しいです。よろしくお願いします。

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以上、トークの記録でした。

もう一度作品を観て、じっくり感想を書きたくなる映画でした!!

 

上映&トーク終了後は物販がありました。流し目のカナミルの美しさよ・・・

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めちゃくちゃ明るいうえに、会話の内容が同じフロアにいるすべての人に筒抜けになる場所でチェキを撮るという、勇気を試されるスタイル。UPLINKの物販スペースは、あらためてまたじっくり覗いてみたくなる、素敵な空間でした。

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チェキを撮ってくださったのはオガワさん。今月、ライブの追加があるとのことでした。告知が楽しみです。

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監督のトークももっと聴いてみたくなりました。