隣接(?)業界の識者が集い繰り広げられた興味深いお話 8月1日(月)@LOFT9 最高峰の「アイドル業界入門」&「AV業界入門」!(安田理央、宗像明将、大坪ケムタ、姫乃たま、タイガー小堺)
アダルトメディアに長年携わり、4月に『痴女の誕生』を出された安田理央さんと、アイドルの現場レポートや批評を旺盛に執筆なさっている宗像明将さんらによるトークイベントに行って参りました。
イベントの趣旨は、安田さんがアイドル業界について、宗像さんがAV業界についてそれぞれ疑問をぶつけあったり、互いのフィールドについてプレゼンをし合ったりするというものでした。両業界の通訳人として、大坪ケムタさんと姫乃たまさんが登壇したほか、ゲストとしてAV監督のタイガー小堺さんも登壇されました。小堺さんは、芸能人激似AVの第一人者であり、最近は、おやホロバスのパロディを含んだ作品をリリースしたことで話題にもなりました。
この日のトークは非常に充実した内容で、主役のお二人のプレゼンも非常に面白かったです。何となくメモを取りながら聴いていたので、断片的ではありますが、それを頼りにしてレポートを残したいと思います。
最初の話題は、安田理央さんからのアイドル業界への疑問から。アイドルのプロレス的見せ方の話から始まりました。ももクロはプロレスファンをうまく巻き込んで裾野を広げたが、AKBの方がプロレス感が強いのではないかという話がありました。「運営」という言い方がプロレス的であるとの指摘があり、なるほどと思いました。比喩的な用語が比喩であること忘れられて流通している例って結構ありますよね。
また、安田さん曰く、「AV業界は体育会系で、監督も女優もとにかくすごいことをやらされる。この『やらされてる感』はアイドルに近いのではないか」。また、「やる気のあるAV女優は引いてしまうので、ルーズな方が好き。でも、職人肌の女優さんは好き。」とのことでした。
元アイドルのAV女優についても話題に上がりました。AVの売り上げランキングの上位が、元アイドルのAV女優に独占されている件について。三上悠亜(元SKE48メンバー)と高橋しょうこ(元グラドル)です。一昔前であれば、旬を過ぎた元アイドルがAV女優になるということはざらにあったものの、現代では彼女らは旬のうちにやってくるので、それらと戦わなければいけない女優さんたちは大変だというお話でした。アイドルがAV女優にという話を聞くと、ライブアイドルの世界で思い出されるのは僕の大好きなあのユニットの元メンバーであった「水原まこ」です。
続いて、宗像さんと安田さんがお互いのおすすめのアイドル/AV女優をプレゼンするコーナーへ。最初に紹介をしたのは宗像さん。3組のアイドルの動画を取り上げました。一組目は、僕とジョルジュ。この日の登壇者の一人である姫乃たまさんのユニットです。「恋のすゝめ」を流したのですが、どういう流れか途中で止めて「ねえ、王子」をかけ直すことに。「ねえ、王子」、名曲ですよね~。歌詞中の「王子」の指示対象としていろんな人を当てはめた聴き方をすることができます。何より、姫乃たまさんの優しさというか、寛大なスタンスのようなものがよく表れています。
宗像さんチョイスの2組目はゆっふぃーこと寺嶋由芙。「好きがこぼれる」の映像を流しましたが、これをチョイスしたのは宗像さんご自身が映っているからとのこと。安田さんが恥ずかしさとかは無いのかと尋ねるも、痛くもかゆくもない宗像さんなのでした。
宗像チョイスの3組目はおやすみホログラム。小川晃一生誕祭のときの「machine song」の映像を流しました。小川晃一Pが選ぶ2015年のベストライブの一つとしても流されたことのある映像です。
安田さんからは、「これヤンキーじゃん」との指摘が。そして、コギャルのAVがなかなか出なかったというAV史のお話、ヤンキーであることを前面に押し出したアイドルもいなかったという話で少し盛り上がりました。
宗像さんチョイスの最後はゆるめるモ!でした。最新のPV「サマーボカン」を流しました。安田さんに必死にメンバーの名前を刷り込みますが、あのちゃんを「のあちゃん」として認識するにとどまる安田さんでした(笑)
それにしても、「サマーボカン」のPVは素晴らしい。去っていったメンバーが最後に電車を降り、新体制の4人で電車に揺られていくという流れに唸らされます。彼女たちの乗る乗り物が電車というのもまた良い。自分たちで操縦・制御ができない乗り物に揺られていくしかないという感じが、アイドルの本質にかかわる一つの側面を的確に表現しているような気がします。
続いて、安田さんによるAV女優のプレゼンテーション 。姫乃たまさんからの熱い阿部みかこコールがありましたが、安田さんが挙げたのは戸田真琴、緒奈もえ、辻本杏の3名でした。
戸田真琴さんには宗像さんもえらく食い付いていて、「これは課金案件ですね」の言葉が飛び出しました。戸田さんは映画好きだそうで、ゴダールやジャームッシュを好んで観るような子らしいです。つい先日は、映画『シン・ゴジラ』の感想を書いたブログ記事が中森明夫さんに絶賛されて、軽くバズっておりました(笑)
戸田真琴さんの『シン・ゴジラ』評に魂を撃ち抜かれた! こんなすごい文章を書く人がAV界にいるのか? 『シン・ゴジラ』も衝撃だが、戸田真琴の文才も超衝撃的!? RT @toda_makoto:まこりん日和:シン・ゴジラ https://t.co/QizkRNMFvj
— 中森明夫 (@a_i_jp) 2016年8月3日
その後は、アイドル激似AVを観たり(も○くろ・も○ち)、姫乃たまさんチョイスのAVが紹介されたりしました。姫乃チョイスの見せ方がエグくて、安田さんは過激な場面をカットして紹介していたにもかかわらず、姫乃さんが堂々とやばい場面を流しまくり、ガラス張りの路面店であるLOFT9の限界をほぼ突破するトークショーとなりました。すごく良かったです。ゲラゲラ笑わせてもらいました。
姫乃さんチョイスのAVの出演者の中には、おやホロバスのパロディAVで「おはようプログラム」に扮した広瀬うみさんがいたりして、若干盛り上がったりもしました。終盤には、当初はゲストとして声をかけていたものの、ちょうどその日はももクロのライブがあるとのことで登壇できなかったAV女優の初美沙希さんも会場に現れ、会場は大いに盛り上がりました。
最後の歌のコーナーでは宗像さんと姫乃たまさんのデュエットで「普通の恋」を熱唱。偶然映像を発見したので貼っておきます。当日のカオス感が伝われば幸いです。全編を通して非常に見ごたえのある素晴らしいイベントでした!!
物販コーナーではもちろん、安田理央『痴女の誕生』、宗像明将『渡辺淳之介 アイドルをクリエイトする』、姫乃たま『潜行』などが販売されました。
渡辺淳之介:アイドルをクリエイトする (MOBSPROOF EX)
- 作者: 宗像明将
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2016/04/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ちなみに宗像氏の『渡辺淳之介 アイドルをクリエイトする』については、以前簡単な感想文をしたためています。